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国産米が危ない!


「輸入米が危ない!」と90年代にポストハーベスト農薬の
映像を発信して、輸入米は安全にしたのに、残念ながら
今度は、「国産米が危ない!」と発信します。

植物を毒にして虫を殺す



 穂が出始める時期になると農協がカメムシ注意報を出して、農薬散布を呼び掛けます。
使われる農薬は、「スタークル」「ベストガード」「ダントツ」などで、これらの農薬の有効成分は、
「ジノテフラン」「ニテンピラム」「クロチアニジン」。 しかし、ネオニコチノイド系と記載されていないので、農家の中には、ネオニコ農薬とは知らないで使っている場合もあります。 ネオニコ農薬の特徴の1つは浸透移行性です。

 水を張った田んぼに粒剤を散布すると、農薬が水に溶けて根から吸収され、 薬の成分が植物内を移行して、植物全体を毒にします。 それで、葉の汁を吸ってもカメムシが死ぬのです。
 ですから、農薬散布する光景を見かけなくても、農薬を使っていないとは限りません。 ネオニコ農薬は育苗のときにも使われます。

 殺菌剤との混合剤もあり、「有効成分が2成分なので減農薬栽培米にも対応できる」と宣伝されているのです。
 有機米や農薬不使用のコメ以外は、今はネオニコ農薬が使われていると言えます。


コメに残留していた



 ネオニコ農薬の特徴の2つめは残効性で、殺虫成分が長く残るということです。

 その農薬が、カメムシ防除として収穫7日前まで計3回使われているので、 残留する可能性が高くなります。そこで、厚生労働省のデータを調べると、検出されていました。
 「スタークル」などの成分「ジノテフラン」は、25年度55%、27年度54%、28年度36%のコメから検出され、最大値は0.23r/s。
 ただし、残留農薬基準2r/s未満なので、これらのコメも市場に出回り、消費者の口に入っているのです。


「子宮腫瘤、卵巣のう胞の増加」


 ジノテフランは「哺乳類に対する安全性は高い農薬」と言われていますが、 食品安全委員会の第3版評価書には「子宮腫瘤、卵巣のう胞の増加が認められた」とあります。
 それでも「病理組織学的検査では子宮の腫瘍に差がなく、 卵巣のう胞は同系統の老齢マウスで頻繁に認められるので、ジノテフランと関連はない」と2010年に評価しました。
 2018年になって、チアクロプリドに子宮ガン腫、卵巣腫瘍が認められました。
 その時点で、ジノテフランが子宮腫瘍と卵巣のう胞を作った2010年のデータを再評価するのが科学的な態度です。
 しかし、食品安全を軽視する食品安全委員会は、見直そうとしていません。

輸入米はネオニコ農薬なし


 輸入米の残留農薬を調べると、検出限界以下。検出されたコメはありませんでした。
 1991年8月、安全基金は、『世界のコメの安全性は?―輸出国のコメ事情―』を発行して、 ポストハーベスト処理で殺虫剤に汚染されたコメが輸入される危険性を指摘。それが現実になったのは1993年のこと。 冷害による大不作で、国はコメを緊急輸入して大問題になりました。
 あれから25年たった今、日本に輸入されるコメはネオニコ農薬だけでなく、他の農薬についても安全になっていました。

カメムシ対策は色彩選別機で


 実は、カメムシ対策は意味がありません。

 カメムシに汁を吸われて黒くなった「斑点米」が1000粒中1粒までなら1等米、3粒までが2等米、 7粒までが3等米と判定され、買い上げ価格に大きな差が出るので、防除はやむを得ないものと思われてきました。
 ところが、農協が持っている高性能の色彩選別機を使えば、防除は必要がなかったのです。 その証拠に、色彩選別機のホームページに「小さなカメムシの被害も見逃さない」とあります。
 玄米の段階で色彩選別機にかければ、斑点米も青米も茶米も白濁米も省けるので、その玄米で検査を受ければ一等米になります。



 農協はカメムシ防除を指導して農薬を売り、農家に経済的な負担をさせる一方、消費者にはネオニコ農薬の残留米を食べさせていたのです。

 農林水産省のお役人さん、農協の方々、来年もカメムシ防除の農薬を売り続けて、日本のコメを潰す気ですか? 

月刊誌『食品と暮らしの安全』2018年12月1日発行 No.356 掲載記事



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