代表小若順一が「安全基金の活動と考え方」を月刊誌『食品と暮らしの安全』に連載中!
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有機農業は放射能汚染を受けやすい 安全基金の活動と考え方(121)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 放射能汚染の代表格であるセシウム137は、カリウムと化学的性質が近いので、植物がカリウムを吸収するとき、一緒に吸収されます。
だから、土中のカリウムが多いか、少ないかで、吸収率=土からの移行率が大きく違ってきます。

 ウクライナで、私たちが支援調査を行っているポリーシャ地域の土はカリウムが少ないので、 作物は、少ないカリウムを何とかして吸収しようとするときに、セシウム137を多く吸収してしまいます。
 原発事故から30年もたったのに、健康被害が多く出ているのは、そのためです。

 ウクライナの農産物は、4つの場所で生産されています。
@大規模農場
A自家畑
B牧草地
C林・森

 @の大規模農場では、経済性を求めて化学肥料が投入されていましたが、 原発事故後は汚染を防ぐために、化学肥料が多く投入されたので、穀物の汚染度は低いのです。
 ABCはカリウム不足の土なのに、化学肥料が投入されていないので、ここで採れる作物にはセシウムが多く含まれています。
それで、化学肥料50㎏を300坪の自家畑に投入してもらい、ラーザレフ博士から効果を示すきれいなデータが送られてきたのが2015年3月です(掲載は本誌313号)。

 ラーザレフ博士の合宿講演では、大規模農場で生産された麦類は、セシウム137が1㎏当たり10ベクレルを超えないのに、 自家畑で生産された麦類には20ベクレル、汚染がひどいと40ベクレルに達したと報告されました。
化学肥料をまったく使わないウクライナの自家畑は有機農業に近いので、一連のデータは、有機農業は近代農業より放射能汚染の影響を受けやすいことを示しています。
汚染されたのは地表と海ですから、地球の表面で物質を循環させる有機農業より、汚染のない地下資源を投入する近代農業の方が、汚染が少ないのは当然です。
一部の人は、有機農産物は放射能汚染の面でも安全性が高い、と言っていますが、これは間違いです。
だからこそ、有機農業は、土壌や作物を定期的に検査して安全性を確認し、消費者の信頼に応える必要があるのです。
人体への危険性が確認された食品は1.1ベクレル/㎏ですから、安全と言えるのは1ベクレル/㎏以下になります。
 有機農業を支持し、牛に穀物を食べさせることに反対運動した私が、ウクライナでは、自家畑に化学肥料を投入し、 牛に穀物を食べさせる運動を推進しているのは、皮肉だと思いますが、これは、見つけた事実に正直に対応しているからです。
 ラーザレフ博士が、事故後に農水省にアドバイスしたので、福島の田畑には、化学肥料と放射能の吸着剤が投入されました。 だから、意外に農産物の汚染レベルは低いのです。
 有機農業の場合は、汚染されていない場所から、カリウムとカルシウムを多く含む資材を持ってきて投入すれば、放射能の心配がない有機農産物を供給することができます。  こうして1ベクレル連合は、福島の有機農家も巻き込んで、活動を始めます。

2016年1月1日発行 No.321より

安全基金の活動と考え方(122)『人道を象徴する「日の丸」に』

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