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特集◆ハイブリット車は「エコ」ではない

月刊誌記事から>いずれ大問題になる廃電池(2009年6月号No242)



いよいよ本格普及時代に入ったハイブリッド車。
同時に自動車用電池も量産体制に入りました。
これが、環境問題・廃棄物問題を起こす弱点なのです。

●環境負荷が大きいニッケル水素電池
車両価格が高いハイブリッド車。
理由は、ハイブリッド車特有の大きな電池・モーター・インバーターなどの装置が、 原価も生産コストも他の自動車部品と比べて飛び抜けて高いからです。 これらの装置の製造にはレアメタル(希少金属)が不可欠。 日本はほぼ全量を輸入しており、世界的な需要増から将来は確保が難しくなるのは目に見えています。 ハイブリッド車に搭載されるニッケル水素電池には、 ニッケル、コバルト、その他のレアメタルが含まれています。 使用済みの電池を焼いてプラスチックを燃やせば、ニッケルは回収できます。 しかし、コバルトやその他のレアメタルは回収できていません。 自動車用に開発が進むリチウムイオン電池は、 軽量・コンパクト・長寿命が実現できそうですが、廃電池からリチウムや電極部材を回収する技術の開発は、 ニッケル水素電池より遅れています。 環境に負荷を与えない廃棄技術がないままハイブリッド車が売れ始めたので、 近い将来、廃電池の処理が大問題になることは確実です。 しかも、この廃電池処理に使われるエネルギー、環境負荷がとても大きいので、 ハイブリッド車も電気自動車もエコではありません。 使用済み自動車の処理で発生する埋め立てゴミは、年間70万t以上。 有害な物質を含むので、建築材料等に再利用しにくいのです。 埋め立て処分場では、不適切な焼却によるダイオキシン類の発生や、 処分場の容量の少なさ、汚水の流出も懸念されています。 シンプルな小型自動車は廃棄物を減らせますが、 ハイブリッド車の量産により、産廃処理業者や処分場の負荷は増大するばかりです。

●「非エコカー」だった
「シンプルでスモ−ルサイズ、長持ち、軽い」がクルマのエコの基本です。 そもそも2つの動力源を持つことからしてシンプルではありません。 コンパクトカーと比べて車両サイズは大きめ。 電池だけでなく搭載された精密部品がどれだけもつかも懸念されます。 軽自動車、小型マニュアル車、小型ディーゼル車と比べて、 ハイブリッド車は資源浪費型の「非エコカー」と言わざるをえません。

月刊誌『食品と暮らしの安全』2009年6月号No242掲載
    

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