指定廃棄物に関する法制度は 環境庁の管轄にあたる。
1989年の「環境の質に関する(指定廃棄物)規制」で、107種類の有害廃棄物が「指定廃棄物」として定義された。
PCBは「指定廃棄物」の一つである。
指定廃棄物は1989年の「環境の質に関する(指定廃棄物)規制」で定義されていて、基本的には産業由来の有毒廃棄物である。生成、取り扱い、輸送、保管、廃棄が以下の3つの法律で規制されている。
- The Environmental Quality (Scheduled Waste) Regulation
1989.
- The Environmental Quality (Prescribed Premises) (Scheduled
Waste Treatment
and Disposal Facilities) Regulation 1989.
- The Environmental Quality (Prescribed Premises) (Scheduled
Waste Treatment
and Disposal Facilities ) Order 1989.
これらの規制は保管、輸送、廃棄の方法と、環境庁による免許を発行してもらう施設が規制されている。
定められた規制のもとで、有害廃棄物は指定廃棄物として分類される。指定廃棄物は3つの大まかな分類ができるが、明確な定義がない。
- 製造過程で作られる副産物
- 下水道で生じる汚泥
- 使用期限の過ぎた有害物質
この規制は指定廃棄物に関するものであるが、現在の定義は家庭の危険ゴミ、例えば電池、蛍光灯、ペンキ、殺虫剤などの化学物質などは、対象として含まれていない。危険廃棄物が、一般の家庭ごみなどと混ぜられている可能性がある。
1995年から1999年の間に、1年平均43万1000トンの指定廃棄物がでている。主に金属加工、電気、繊維、化学物質、化学物質関連産業、農業、家事、医療関係の廃棄物などが含まれる。
企業は政府当局に有毒廃棄物に関して、収集、保管、加工などをしているかなどに関してを含めて知らせなければならない。指定廃棄物に関する規制があるにも関わらず、私営企業は環境庁の排出基準に沿ったシステムを整えるために投資することに消極的である。多くの会社が罰金を課せられているが、それでもなお、多くの中小企業が法律を破り続けている。報告義務が法律で定められていないため、環境庁は多くの場合、会社が出している廃棄物の量や、どのようにそれを廃棄しているかを確かめることができない。
有害廃棄物の処理システムは1997年に合弁企業の クオリティ・アラム社に委託されている。デンマークの技術を使い、PCBを含む「環境の質に関する法」にリストとしてあげられている107種類の指定廃棄物を処置する。しかし、この施設で処理されているのは、地元産業が出した80万トンの有害産業廃棄物のうちのほんのごく一部分である。
クオリティ・アラム社(マレーシアで有害廃棄物処理が委託されている会社)に登録しているのは、有害廃棄物を出している工場3000のうち22%のみである。
多くの産業は、有害廃棄物を管理する専門家がいなく、保管場所もない。
保管場所が不適切で、流出、漏出、火災、爆発などがおきかねないところもある。
指定廃棄物が違法で住宅地や環境保護の必要な場所に廃棄されることもある。
マレーシアでは産業化の歴史が短く、新しい産業を始めるための自然の土地があるために、土地汚染は大きな問題である
。古い産業地帯の再開発はほとんどされていない。