PCBとは
PCBは化学的に不活性で、熱に強く、電気的に絶縁性を持ち、蒸気圧が低く、そして耐火性があります。そのため、変圧器やコンデンサーの絶縁油、熱交換媒体、ペンキやプラスチックの添加剤など、幅広く使われてきました。
韓国では、PCBの製造、輸出入、販売は1976年から禁止になっています。しかし、禁止以前に作られたPCB製品が、いまだに使われています。PCBを含む製品を廃棄する際には、廃棄物管理法の規制に従うことになっています。
PCBの基準
韓国には、PCBのみに関する法律はありません。しかし、PCBは他のいくつかの法律で規制されています。例えば、(1)土壌の基準値や、(2)食品の基準値があります。また、(3)紙と精製パルプは、10ppm以下と決まっています。
(1)土壌の基準値
まず土壌の基準値ですが、4つの法律によって定められています。
- 大気環境保全法
- 水質保全法
水質保全法では、河川や湖に排出してもよいPCBの濃度は、5ppm以下。
海の場合は、3ppm以下となっています。
- 有害物質管理法
- 土壌保全法(1996年1月)
土壌保全法では、土壌汚染が憂慮される値が、12ppm以下。
そして、土壌汚染だと見なされる値が30ppmです。もし30ppmを超える値が検出された場合、対策が取られることになります。
(2)食品の基準
WHOは、食品中のPCBについて基準を定めています。1日当たりの許容量は、体重1kgに対して0.005mgです。
食品のPCB許容量(単位:mg/kg)
規制対象品目
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韓国 |
日本 |
牛乳 |
0.1 |
0.1 |
乳製品 |
1.0 |
1.0 |
肉 |
1.0 |
0.5 |
卵 |
0.2 |
0.3 |
包装材 |
5.0 |
5.0 |
魚、貝類
-海洋海岸の魚および貝類
-内海海岸の魚および貝類 |
0.5
3.0 |
0.5
3.0 |
乳児用粉ミルク |
- |
0.3 |
食品のPCB許容基準値
食品には具体的な基準値が設けられています。牛乳、肉、卵など、それぞれに基準があります。韓国と日本の基準値は、ご覧の通り、ほとんど同じです。
湾岸の堆積物のPCB
「韓国では、湾岸の堆積物のPCB濃度は、他の国に比べ、そう高くはない」と韓国政府は言っています。しかし、本当かどうかは定かではありません。
環境統計年鑑2001年(環境省)
昨年発表された環境省の環境統計年鑑2001によると、PCBは全国的にも、また工業地帯を見ても、ppmレベルでは検出されていません。
また、汚染物による土壌汚染は、地方の土壌や工業地帯の水、埋め立て地の土からも、ppmレベルでは検出されていません。しかし、ppbレベルでは検出されるかもしれません。
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