ＰＣＢの問題は世界規模の問題で、マレーシアも例外ではない。1985年に、貝類とペナン島周辺の海底土の調査が行われた。ＰＣＢの含有量は400-600ppbであった。このＰＣＢの量は食品医薬品局によって設置された300ppbという許容値を超えている。

　1992年には、マレー半島の25の河川から水のサンプルを集め、PCB残留の検査が行われた。工業地帯や人口過密地帯の河川で、ＰＣＢが多く残留していた。ＰＣＢは1リットルあたり2.1-0.9ミリグラム検出された。これはマレーシアで提案中の品質基準の排水量1リットルあたり、0.044ミリグラムという基準を超している。

　マレーシアでは1998年の6月から、ＰＣＢの輸入禁止。税関法1967が、改正されて1998年にはじめて、ＰＣＢの輸入を正式に禁じた。

　輸入が禁止されても、1998年6月以前に輸入された製品にＰＣＢが含まれているため、この問題は解決していない。

　PCB は 工業分野で広く使用されている。特に最終製品、精密石油化学製品、 高価格電気部品製造、 農薬の製造など。またトランス、蓄電器などの形で電気機器に含まれていたり、ペンキ、プラスチック、感圧紙などがあげられる。ＰＣＢは絶縁性があるため、熱交換器や絶縁用の液体として使われる。しかし、ＰＣＢを含んでいる可能性のある電気機器や製品の処理に関しては、マレーシアでは注目されていない。

　PCBはすでに禁止されているが、広く使われている。ＰＣＢは異なる名前で呼ばれて、その存在が隠されているものもある。

　マレーシアでは （ＰＣＢを含む製品や機器を含む）固形の廃棄物はほとんどが埋め立てされている。
　マレー半島には、177 のゴミ廃棄場 がある。ほとんどの場合、埋め立て地の50%が屋外の開放系埋立である。

　マレーシアでは、廃物利用のため、機器類や家庭用電気製品から、くず金属を回収している。組立加工用の鉄、銅、真鍮、鉛などの金属は分別され、他の産業で使用されるか、輸出される。機器類は金属部品が取り外され、商業価値のない部分は通常廃棄物として棄てられる。

ペナン島　ジュルトンのゴミ廃棄場

廃棄場の様子

廃品回収場で働く人