なぜ土がふわふわしているのか
◆ 6月号の「脱・有機に動くアメリカ」に、「被覆作物がびっしりと植えられた畑を案内してくれたオーナーのスティーブ・マサイアソンさんは、掘り起こした土を手に取り、いかに土がふわふわしているか見せてくれました」とありますが、「被覆作物がびっしりと植えられた畑」でなぜ「土がふわふわしている」のか不思議でならない。どのような方法で「土がふわふわ」になるのか教えてほしい。(岐阜県 Nさん)
微生物の活動を活発にする
◇ 被覆作物がびっしり植わっているということは、農薬を使っていないということです。
農薬を使わないと、ミミズや微生物などさまざまな生物が土の中で増殖し、活発に活動するので、土がそうした生物によって耕されてふわふわになり、いい土の証である「団粒構造」になります。
また、被覆作物の根が広がるので、これも土をふわふわにする要因になります。
被覆作物は畑にすき込めば、肥料にもなります。いわゆる緑肥です。
緑肥は土に、微生物のエサとなる有機成分を供給するので、これによっても微生物の活動が活発化し、土がふわふわになります。微生物によって分解された有機成分は、作物が栄養分として根から吸収します。
被覆作物にはこのほか、表土の流出を防いだり、益虫を増やしたりする機能もあるなど、実に多様な役割があります。(猪瀬)
重い瓦の屋根をどうする
◆ 耐震診断の記事を読んだ後、在住する市では指定業者に限り診断費用の補助金が出るということで、そちらにお願いしました。
すると、昔ながらの重い瓦屋根が大いに問題で、それを変更する必要があり、300万近くかかると言われ、途方にくれています。
屋根の重さが問題というのは、聞いたことがありますが、そのために倒壊の危険が非常に大きいとの診断結果でした。
それが妥当な線なのか、できましたら教えていただきたいのです。(千葉県Mさん)
瓦屋根はやめた方がいい
◇ 地震のときは瓦が落ちて、家がつぶれないのが日本家屋の特徴と言われていました。今は落ちない瓦が多くて、2007年の能登半島地震では700戸近く、今年の地震では8000戸以上が全壊しました。良い専門家に相談して、対策を取ってくださいと、とりあえず小若が回答しました。
◇ 関東大震災後、瓦は落ちないものに代わりました。能登で倒壊した家が多いのは、重い瓦が多いからです。千葉ですから、指定業者が瓦を大げさに言ったのかもしれません。
軽いプラスチック製の瓦もありますが、見た目を気にしないなら、当事務所のように、錆を自動修復するガルバリウムの板金を張るのが一番いいです。2重に張って、その間から熱い空気を逃がし、天井の上に断熱材を入れると、室内は熱くならないし、安くて、軽くて、長持ちする屋根になり、地震に強い家になります。(一級建築士・山賀)