代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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「尖閣」は国際司法裁判所に 安全基金の活動と考え方(82)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


  「日本が国際司法裁判所へ提訴する方がいいのは、実効支配している尖閣諸島の方です。 棚上げし、武力衝突への道をふさいだまま、裁判で決着させるのが賢明な策です」と先月号の編集後記に書いたら、3名から抗議状が届きました。  私は、本欄に「戦争のリスクを減らす」(2008年11月)と書いたように、戦争から距離を置く政策をとるべきと考えます。 驚いたのは、中国の100を超える都市で「柳条湖の日」デモが起き、尖閣の領海に中国監視船が侵入した9月18日夜、TBSテレビ「NEWS23クロス」で 野田総理が「尖閣は日本固有の領土で、領土問題は存在しない」をベースに対応していくと述べたこと。  残念ながら、野田総理は、総理にふさわしくない頭の持ち主です。
 日中国交正常化のとき、周恩来が先送りを指示し、ケ小平も棚上げ指示したのは周知の事実。
それなのに、日本の政治家は「領土問題は存在しない」と言い続けました。
その間に中国は、長期戦略で、海洋領土を奪えるように態勢を整えてきたのですから、日本の形勢が不利になるのは当たり前です。
 読売新聞で元海将が、潜水艦から水中移動して隠密上陸されれば、島内に特殊部隊が展開して、尖閣諸島の山頂に五星紅旗が翻り、数時間で実効支配されると述べています。
日本の政治家が、「領土問題は存在しない」と言っているうちに、尖閣は中国に盗られるでしょう。
 今回の紛争を拡大したのも野田総理です。
 9月9日朝、首脳会議直前に中国の胡錦濤主席が野田首相に「国有化はダメ」と立ち話で要求したのに、 翌日、尖閣の国有化を正式決定し、11日に「地権者」から島を購入して、国有化してしまったのです。
 東京都が買って、石原知事が好きなようにするよりいいとしても、問答無用でメンツを潰したら、胡主席が怒るのは当然です。 大飯原発の再稼働で国民を怒らせましたが、今度は中国首脳を怒らせたのです。
 嫌なことはないことにして対応するのは、「絶対に原発事故は起こらない」と言っていたのに、 大事故が起きると、「微量の放射能は安全」と言い始めたのと、よく似ています。
 緊張が高まる中で、経済人たちが、「経済優先!」の声を上げなかったのも情けない。
 最近まで「エコノミックアニマル」と国際的に勇名をはせていたのに、右翼が押し掛けてくるのを恐れて、経済人として「島より平和を」と、訴えませんでした。
 その結果、野田首相が火をつけて、デモの巻き添えを受け、大被害を受けたのです。

 原発・エネルギー問題では、わかっている人や企業は、だまって天然ガスの導入に動いています。  しかし、経済界から一次エネルギーの重要性を指摘する声はありません。 見かけだけいいものを食べて、ミネラルやレシチンが不足し、経済人のトップの頭が悪くなっていることは間違いありません。
 「島」で中国と紛争を起こす損得を考えれば、損することばかり。
尖閣を実効支配されてからでは遅いので、日本が実効支配している今こそ、国際司法裁判所へ提訴すべきなのです。



2012年10月1日発行 No.282より

安全基金の活動と考え方(83)「将来、遺伝の被害が出続ける」

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