代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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「菅政権に期待する」 安全基金の活動と考え方(55)

 市民運動出身の菅直人氏が首相に選出されました。
私も市民運動家ですが、分野が安全性で、しかも引きこもりタイプなので、菅氏に会ったことはなく、テレビでしか知りませんが、活躍を期待しています。
 すでに期待できる発言もありました。 昨年10月には「霞ヶ関なんて成績が良かっただけで、大バカだ」と官僚批判をしていたのに、 政権発足後は「官僚こそが政策や課題に長年取り組んできたプロフェッショナルだ」と姿勢を転換しています。 この発言を「後退」と見た方もおられるでしょうが、「両方とも」正しい意見です。
 本誌で、ミネラル不足の解明を行っていますが、これは「成績が良かった」「霞ヶ関」の官僚と専門家たちが、「大バカ」なことをしているので、これを正そうとしているわけです。 ミネラル不足の記事が続くので、読者の皆さんはもう飽きているかもしれません。 しかし、この程度では「霞ヶ関」にミネラル不足の情報は届かないのです。
 もちろん、私たちは毎号、十数部を霞ヶ関の関係部署や担当者に無料で送っています。 また、3月には3省庁・1委員会のトップ宛に要望書も送ってあります。 それでも意見は「霞ヶ関」に届きません。
 そんなことはわかっているのに、要望書を送ったのは、いざというときに「知らなかった」と言われるからです。 そのとき、「組織の仕事の仕方がダメだから、こんなことになっているのだ」と言うために、何日も時間をつぶしました。 正しい意見を担当省庁に伝えれば、事態は改善されていくと思っている人が多いのですが、そんなことはまずありません。 省庁も担当者も大恥をかいて、しかも左遷などの犠牲者が何人も出て、それで初めて、官僚たちは少し軌道修正を行います。 それでも、反省などは一切しないのが官僚組織です。
 それから5年ぐらいたつと、大問題だけは片付いて、専門の官僚が育っています。 しかし、大問題「以外」は改善していないのに、すでに忘れ去られ、マスコミも取り上げなくなっています。  だから、菅さんが「官僚こそが政策や課題に長年取り組んできたプロフェッショナル」と言うのは、ある意味、本当です。 もう一つ、文字どおり「官僚こそがプロフェッショナル」ということがあります。
 私は、安全性の分野で35年も活動してきましたが、ポストハーベスト農薬以外のことは、現状を担当官僚に聞いて、確認して記事を書きます。 農薬もそうで、農林水産省の農薬対策室に17人スタッフがいて、現場には植物防疫官が850名ほどいるので、細かいことは担当官僚に聞かないとわからないのです。 ただ、レベルの低いプロが増えていることは、私たちのような素人から、栄養調査の根本的な間違いを指摘されていることを考えれば、明らかでしょう。 こんな大変な組織のトップに立った菅首相は、改革を実のあるものにして、できるだけ政権を長持ちさせてほしいものです。

食品と暮らしの安全 代表 小若順一
2010年7月1日発行 No.255より

安全基金の活動と考え方(56)「ポスターで状況を変えよう」


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