代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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「公私混同をするのだ!」 安全基金の活動と考え方(31)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 NPO法人になってからは言うのを控えていますが、任意の市民団体だったときは、スタッフに「できるだけ公私混同をして、いい仕事をしよう」と、私はよく言っていました。 「体」と「時間」は、誰でも1つしか持っていないので、公私混同をして、1度に2つのことをしようというわけです。
 公務員やきちっとした企業にいたら、仕事の中に「私」や「家族」や「友人」を持ち込んではダメで、公私混同をしないのが基本ルール。 だから、出張するときに仕事と無関係な人を連れていったらダメです。
 しかし、市民運動家やフリー・ジャーナリストは、こんな非能率なことをしてはいられません。 仕事プラス「社会貢献」もするのですから、せめて公私混同をして家族サービスも行い、仕事は必ずいい結果を出すようにするのです。
 それで私は、ポストハーベスト農薬の海外取材は、ほとんど運動仲間か家族と一緒に行きました。 コーデックス会議にスタッフの熊澤夏子が出るときも、コンピュータの仕事をしている連れ合いと一緒に行って、 インターネットを使って速報を出したり、同時中継をするなど、世界初づくめのい仕事をしてくれました。
「公私混同をするぞ!」と気合を入れているから、いい仕事ができるわけで、形式にとらわれたら世界初の仕事など、できるわけがありません。 もっとも、形式にとらわれなければいい仕事になるわけでもないので、そこが難しいところです。
 私が、韓国のインスタントラーメンが無化学調味料になっていることを見つけたのは、絶妙のタイミングでした。 昨年末に家族と済州島へ遊びに行ったとき、いろんな食品を買って来て、ホテルの中で食事をしているときに「MSG無」という表示を見つけたのです。 1人ならホテルの部屋で食事をしないので、見つけられなかったでしょう。 今は、すべて無添加と誤認されないように、「MSG無」表示がなくなったので、私では見つけられません。
 チャンスがあるときに「何か」を捉まえておかないと、たいていは逃したらおしまいです。 いいネタを見つけたり、いいアイデアがわいたとき、一瞬でも躊躇すると、それでおしまいになることが多いのです。
 「公私混同をしないためにどうしようか」と考えると、最初の瞬発的な判断が遅れます。だから、公私混同を気にする人は、特ダネをつかまえられません。 かく言う私も、この組織がNPO法人や株式会社になり、通販業務が増えてからは、スタッフにどこまで公私混同を認めたらいいのかが、まだわかりません。
 経費の請求をどこまで税務署が認めてくれるか、という課題もあります。 それでも、成果をあげていないと組織がだめになるので、「公私混同」を取り入れていかねばならないと考えています。


2008年7月1日発行 No.231より

安全基金の活動と考え方(32)「自然エネルギーを支持しない理由」

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