代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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「臨機応変」「変幻自在」 安全基金の活動と考え方(27)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 私は、子どものころから剣道を22年続けたせいか、「臨機応変」という言葉が好きです。
ことに臨んだとき「臨機応変」に対応するのは当たり前。だから、中国産ギョーザで農薬中毒と1報が入り、 NHKから「ニュースウオッチ9に出てもらいたい」と言われたとき、一瞬躊躇しましたが、出ると決めてからは、他のテーマを一時止めて、取り組むことにしました。
 ところがテレビから出演依頼が相次ぎ、そのまま1週間以上「引きずり回され」、疲れ果てることに。
テレビに出るチャンスはめったにないので、それでも言われるままに対応していましたが、そのときに気づいたことがあります。
 私は古武術を習ったこともあるので、剣や技を「変幻自在」に操りたいという願望があります。古武術では、基本の形を繰り返して稽古しますが、 そうして形を身につけると、変幻自在に剣を使えるようになると考えられています。
 「臨機応変」は、身構えて相手の出方に対応しながら変化するイメージで、「変幻自在」は特に身構えず、自在に身をかわしながら攻め手を出していくイメージです。
 私は市民運動や理論展開でも、臨機応変に対応し、変幻自在に仕掛けたいのですが、「報道ステーション」に出たとき、変幻自在は特に難しいと感じました。
 テレビ朝日に入ったのは本番の4時間以上前。控え室で、翌日の他番組の収録も行いましたが、時間が余ったので、事務所に電話し、 中国産食品が日本の食卓に占める割合の資料を送ってもらいました。
 資料には、冷凍食品、カレー、ソバ、シイタケ、栗などの中国依存度が6割を超えていると出ていました。 これらは各種加工食品の原料にも使われるので、中国産食品をすべて問題視したら、非常に多くの食品が店頭から消えることになります。
 そうなったら、困るのは消費者です。
 それがわかったら、今回の問題で中国産食品をすべて食べないように呼びかけるのは間違いだと確信しました。 ディレクターにそのことを話し、古舘さんにも伝えてもらいました。
 それまでは、事実をフラットに見て、原因を突き止め、原因にしたがって対策を取るというスタンスでしたが、それに、怖いのは天洋食品のものだけで、 中国産をすべてバッシングしてパニックを起こすのはよくない、というスタンスを加えました。 そういう状況で番組が始まり、言いたいことを言うことができました。
 しかし、違和感が残ったのです。
 その理由は、変幻自在にすると視聴者はついてこれないだろうという予感と、古舘さんが体を傾けて迫ってくるので、 私は体を反って逃げながら答えるようになったことの2つで、2つ目は改善点になります。
 「変幻自在」は、剣のような道具を使うときには有効ですが、今回の体験で、気持ちが入る主張には有効でないかもしれないと考えるようになりました。


2008年3月1日発行 No.227より

安全基金の活動と考え方(28)「淡水パールは環境保護型」

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