代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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広島、長崎は何をしている! 安全基金の活動と考え方(131)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 福島の将来を知ろうとウクライナへ行き、被害の実態調査をしていたら、被害者の救済活動がメインになりました。
 「日本プロジェクト」は、食品の放射能汚染を減らして「痛み」を治していたのですが、汚染のひどいナロジチで、 この夏から医師の診察が始まり、「病気」が治るかどうかの検証が始まっています。

 汚染の少ない牛乳を飲んでいる子は、日本プロジェクトに参加していない子より健康になっていますが、 それに「病気も良くなった」を加えて、行政や政治家に圧力をかけ、ナロジチの子をまとめて救おうという作戦です。
みな様からのカンパは、すべて被害者の健康を良くする施策に使われていて、現地の方々も、みな様に深く感謝しています。
 私の役目は、彼らのやる気を引き出すこと。中国から淡水パールのブレスレットを買い付けて、来日したラーザレフ博士に持ち帰ってもらい、主要メンバーに配りました。 これでパール大好きのウクライナ女性に、また火がついたことでしょう。
 女性上位のウクライナでは、女性が頑張ると、男性は付いていくか、もっと頑張るようになるので、関係者はみんなやる気満々。 それで健康で元気になるので、さらに意欲が沸いて、成果が挙がる算段です。 ナロジチ病院のマリア院長が参加したので、 「日本プロジェクト」は、福島だけでなく、広島、長崎にも影響を与えるべきだと思い始めました。

 「日本プロジェクト」は被曝者の救済活動なので、広島・長崎とつながっています。
 原爆の影響を直接受けなかった周辺地域の人でも、死の灰による汚染食品で後になって病気になった人が多数いるはず。この調査がまったく行われていません。
 広島・長崎の研究機関は、アメリカからお金をもらって、原爆の被害を過小評価するように研究したからです。
 今でもその体質を引きずる科学者と、毎年同じ行事を行うだけの行政担当者を、「バカ者!」と、一喝したい心境です。

 福島第一原発が爆発した後、救援体制ができるまで、ひどい急性症状が出ていない人は、「それどころでない」と放っておかれたのは仕方ありません。
 しかし、原発事故から半年以上たってから、
「疲れる」「体が弱っている」「鼻血が出る」「頭が痛い」「足が痛い」などと訴える人が、 「急に生活が変わったことによる疲れ、ストレス」と福島で医師が診察したのは間違っています。
そういう症状は、強い放射能を吸ったり、食べたことによる被曝の影響が、後になって出た可能性が高いので、きちんと体内被曝を調べるまでは、結論を出せません。

 被曝すると、不健康な状態が現れて、それで病気にかかる人が出てきます。
 この常識を、科学者が切り捨てて、さらに「鼻血バッシング」まで行ったのは、お金に良心を売り渡していたからです。
 30年前の原発事故による食品汚染で、今の子どもたちが健康を損ね、病気になっている状況がわかれば、広島・長崎で見捨てられた被曝者の被害を推定することができます。

2016年11月1日発行 No.331より

安全基金の活動と考え方(132)『自由貿易の弊害を防ぐチャンス』

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