代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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再稼働を認めない仮処分 安全基金の活動と考え方(113)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 高浜原発3・4号機について、福井地方裁判所は4月14日、再稼働を認めない仮処分を決定しました。

 司法は、これまで3度、住民側勝訴の判決を下しています。
   2003年1月、「もんじゅ」設置許可無効。
   2006年3月、「志賀原発2号機」運転差止。
   2014年5月、「大飯原発3.4号機」運転再開認めず。
 しかし、この3回は、事態を変えることはできませんでした。

 仮処分の決定は即有効となるので、今回は、関西電力が異議を申し立てても、決定が取り消されるまで、再稼働できません。
仮処分の決定後、原発のある高浜町の野瀬豊町長は、「司法の判断は重いが、行政としての手続きは進めていきたい」。
菅義偉・官房長官は、「原子力規制委員会が十分に時間をかけて、世界で最も厳しいと言われる新基準に適合するかどうか判断したので、 政府はそれを尊重して、再稼働を進めていく方針は変わらない」。

原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「事実誤認がいっぱいある」「新規制基準や審査を直ちに変えるとは感じていない」。

 このように原発推進派は、福井地裁の判決と決定には従わず、これまでどおり、再稼働を進めるとしています。
それでも、高浜原発はしばらくの間、再稼働できません。
 4月22日には、川内原発の仮処分の可否が決定し、それ以降も、反原発の司法闘争は、再稼働を差し止める仮処分を求めていくことが主体になると考えられます。
原発反対の世論を広げて、仮処分闘争を支持するのが「被害調査」です。

この2つは、反原発運動の車の両輪です。
事故前は放射能被害が想定されていたのに、事故後は、「被害はまったくない」と専門家は言い続けています。
そんなことがあるはずはありません。やがてウソはばれ、原発を厳しく見るように世論は変化します。

 みなさんは、安全基金がウクライナで得た情報を基に、関東から岩手までで、放射能汚染による健康被害を発掘してください。
ウクライナでは、土壌汚染が7〜8ベクレル/kgのところで自給生活をしていると、7割ぐらいの人に頭痛や足痛が出ています。
関東平野では、土壌汚染の低いところでも100ベクレル/kg以上、ひどいとろでは1,000ベクレル/kg超えて汚染されています。だから、被害が出ないわけがないのです。
 ただし、今のところ日本は、食品の汚染レベルが低いので、ウクライナより被害は少ないでしょう。 しかし、これから汚染レベルの高い食品がポツポツと出てくる可能性があります。
 ウクライナでは、甲状腺ガンが4年後から、その他のさまざまな病気が5年後から増え始め、5〜6年後にピークを迎え、ほぼその状態が続きました。
この事実を踏まえて、今から日本で出てくる被害をできるだけ早く見つけて、被害者を一刻も早く救済することを、みんなで進めていきましょう。

2015年5月1日発行 No.313より

安全基金の活動と考え方(114)『甲状腺ガンの子は127人に』

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