小若 順一  プロフィール

小若順一

 『食品と暮らしの安全基金』代表。安全性の分野で、幅広く活動する市民運動家。

 〔1970年代・食品添加物〕
 1973年に遺伝毒性がある合成殺菌料AF2の追放運動に参加したのが運動家としてのスタート。
 その後、発ガン性が見つかった赤色2号、サッカリン、BHTなどを、
 日本消費者連盟の担当者として真っ先に立ち上がって数週間で市場から追放した。
 1970年代後半は、「遺伝毒性を考える集い」のリーダーとして、赤色104号、臭素酸カリウムを
 市場から追放、プロピレングリコールは規制に追い込むことに成功し、
 食品添加物の追放運動家として勇名をとどろかせた。
 
 〔1980年代〜1990年代前半・輸入食品・ポストハーベスト農薬〕
 1980年代に入ると、輸入食品の危険性に取り組んだ。
 問題点を次々と発見して摘発した後、1988年からは、収穫後に使用されるポストハーベスト農薬の
 実態解明に取り組む。
 世界中を駆け回りながら「ポストハーベスト農薬汚染」の本やビデオを出し、
 7年ほどかけてポストハーベスト農薬の全容を解明した。
 
 〔1990年代後半・エコロジー建築〕
 吸う空気の量は、食べ物より多く、しかも肺には汚染物質の除去機能がないとして、
 室内空気の安全性に取り組む。
 最初は、空気を汚す家庭用品に取り組み、1995年に『住まいにひそむ農薬がわかる本』を出版。
 それからは、住まいそのものに取り組み、相根昭典氏(アンビエックス)を始めとする
 4人のエコロジー建築家、医師、化学専門家と1997年に『健康な住まいを手に入れる本』を出版。
 この本は増補3訂まで版を重ねて、建築基準法が改正され、
 ホルマリン汚染が解消されるキッカケとなった。
 
 〔1997年・ダイオキシン〕
 ダイオキシンをどう減らすかが大きな社会問題になっていたとき、
 槌田博氏の「自然処理の原則によるプラスチック分類」を、見やすいポスターにまとめて発表。
 大反響を巻き起こし、ダイオキシン対策が進む。
 3年後にはダイオキシンの排出量は1000分の1近くに減った。
 
 〔1997年〜・環境ホルモン〕
 環境ホルモンとして環境庁の報告書にリストアップされていた英語の60数物質について、
 用途や生産量を調べて日本語にし、生産量が特に多い3物質の毒性とともに公表。
 大反響を巻き起こし、ポリカーボネート製哺乳瓶が激減、
 10年後に世界中で哺乳瓶が変わり始めるキッカケをつくった。
 
 〔1999年・コーデックスに参加〕
 アメリカ公益科学センター(CSPI)英国食品委員会、日本子孫基金の代表者が日本に集まって、
 国際団体IACFOを結成。
 IACFOは、1998年に国連の国際食品規格委員会(コーデックス)のオブザーバ−資格を取得。
 会員から寄せられた多額のカンパで、1999年から熊澤夏子を始めとする優秀なスタッフを
 コーデツクスに派遣した。
 IACFOの3団体はお互いの活動を尊重しながら自由に発言することにしたので、
 日本の市民団体としては初めて議論に参加して、熊澤は5年にわたって大活躍をした。
 「日本の顔」はすぐ熊澤になったので、面子をつぶされた日本政府代表団は、
 仕事のできる人間で構成されるように変わっていった。
 
 〔2002年・ベストセラー『食べるな、危険!』〕
 2002年に講談社から『食べるな、危険!』を出版、23万部のベストセラーに。
 2005年の『新・食べるな、危険!』が10万3000部なので、計33万部を超えた。
 本の内容が支持されたので、抗生物質・抗菌剤を使わない畜産が増加し、
 スーパーで簡単に安心できる肉を買うことができるようになった。
 
 〔2004年・排気のきれいな掃除機〕
 ヨーロッパの高級掃除機は、排気中の微細なチリ(0.3μm)をゼロにして排出しているのに、
 日本のすべての掃除機は排気が汚く、3μmのチリさえも排出していて、
 ぜんそくや肺炎の原因になっていると警告。
 この排気問題を冒頭に取り上げた『使うな、危険!』(講談社)を2005年に出版。
 販売部数は9万部を超えたが、テレビが家電メーカーに遠慮して、この情報が一切流されなかったので、
 日立など一部のメーカーの、ごく一部の機種しか排気はきれいになっていない。
 韓国では、私たちが行っている方法の、掃除機の実験がテレビで取り上げられ、
 各社の高級機種はすべて、ヨーロッパ並みに排気がきれいになっている。
 
 〔2007年・エコロジー建築の事務所〕
 相根昭典氏(アンビエックス代表)、早田之彦氏(アンビエックス)、深沢良仁氏(深建工房代表)、山賀康弘氏を始めとするエコロジー派の一級建築士、
 木材研究家の見尾貞治氏、木村木材工業の木村司社長などの助言を得ながら、
 さいたま市与野本町に、丈夫な基礎の上に、内部は木材、外部は金属のガルバリウムで被い、
 水道はステンレス管を用いた超耐久性エコロジー事務所を建設。
 
 〔2008年・中国産冷凍毒ギョーザ事件〕
 2008年1月、中国産冷凍ギョーザを食べた人に命にかかわる被害が出ていることが判明。
 小若は、事件が判明した日、21時からのNHKニュースウオッチ9に出演し、食品テロ説が最も有力と解説。
 事件は判明するにつれて小若の予想したとおりの展開となり、テレビ各局に1週間で30回ほど出演した。
 
 〔ミネラル不足への取り組み〕
 中国産毒ギョーザ事件でテレビ出演中、「水煮食品」の取材映像を見て、輸入食品を多く食べる日本人は
 ミネラル不足になっていると小若は確信し、それからは食品のミネラル不足問題に取り組んでいる。
 2008年9月  『無添加白だし(三合わせ)』によるモニター調査を開始
 2008年10月 『無添加白だし』を飲み始めたアスペルガー症候群の「こうちゃん」が劇的な改善を始める。
       ⇒アスペルガー症候群奇跡の回復
 2010年2月 必須微量ミネラル不足を警告した『食べなきゃ、危険!』を出版。
        この本を読んで、心身の健康を回復した人が次々と現れている。
 2010年8月 現代の各種食品を実測し、共通して主要ミネラル不足になっていることを立証した
        ポスター『ミネラル不足の食事』を発表。1ヵ月くらい現代的な食事をしていると、
        高い確率で病気にかかることを警告している。
 2010年12月 日本人の食の実態に迫る大スクープ内容『食事でかかる新型栄養失調』を出版。
         前・国立健康・栄養研究所理事長 渡邊 昌先生も推薦。

 〔放射能汚染への取り組み〕
2011年3月福島第一原発で事故が起きたので、放射能汚染のない食品からセシウムとストロンチウムの同族ミネラルであるカリウムとカルシウムを多く摂ることで、 被曝を減らすことを提案した『放射能を防ぐ知恵』を出版。
さらに、妊婦を放射能汚染から守らないと20年後に生れてくる子どもが 遺伝障害を受けることを警告した『放射能から子孫を守りたい』のパンフレット。放射能による遺伝的リスクを、わかりやすく絵本にした『子どもの命を守りたい』を作成。
食品を選ぶときに役立つ「放射能汚染による都道府県の格付け」(2012.2)を発表し、放射能汚染による被害者を減らす活動を行っている。

2012年からチェルノブイリ原発事故が起きた国、ウクライナへの調査を開始。
遺伝的な影響を念頭に置きながら、第1回実態調査を2012年2月に。
2回目は5月末に調査。
2012年9月に行った3回目の調査では、放射能が非再生組織に痛みを引き起こすことを発見。
食品が10 ベクレル/kg 程度汚染されているだけで、足が痛い子が7割、頭痛が2割、喉痛が3割もいた。
ウクライナ調査報告

 
 ●受賞リスト
 2004年、日本子孫基金として東京弁護士会人権賞
 2017年3月、ウクライナ・チェルノブイリ連盟から「博愛人道勲章」
 2018年4月、国際チェルノブイリ連盟から「チェルノブイリ事故処理30周年記念勲章」
 2019年1月、ウクライナ・ジャーナリスト連盟から「特別栄誉賞」
 
 ●学会での招待講演
 2013年1月29日:第46回日本無菌生物ノートバイオロジー学会
  「10Bq/kg食で『痛み』が出る『非再生系』組織の低線量被曝の影響―ウクライナ調査報告―」
 2013年6月12日:第8回アジア太平洋臨床栄養学会
  「ウクライナ調査報告-低レベル放射能汚染食品で症状の発生
   (UkraineReport ― Health problems associated with food contaminated by low-level radiation」)
 2017年7月30日:第8回日本微量元素学会・学術集会・ランチョンセミナー
  「不足で健康に障害が出る微量元素―実測編」
 2017年10月21日:第21回日本摂食障害学会・学術集会
  「ミネラル不足で摂食障害−補給したら良くなった」
 2018年7月1日:第41回日本栄養アセスメント研究会・学術集会・教育講演
  「さまざまな病気を起こしているミネラル不足の市販食品」
 
 ●経歴
 1950年、岡山県岡山市生まれ。
 1967年、岡山県立朝日高等学校卒業
 1969年、芝浦工業大学中退
 1972年、産業能率大学2部事務能率科卒業
 1973年、産業能率大学2部販売能率科卒業
 1973年、日本消費者連盟事務局員
 1982年、日本消費者連盟を退職
 1984年、日本子孫基金を設立、事務局長
 2004年、日本子孫基金の名称を「食品と暮らしの安全基金」に変更
 2006年、叶H品と暮らしの安全を設立、代表取締役
2011年、通販部門が独立 叶H品と暮らしの安全を『活タ全すたいる』に社名変更
    ※月刊誌の編集・発行をNPO法人食品と暮らしの安全基金に移行
 
 ●著書
 『気をつけよう食品添加物』(学陽書房・1986.11)
 『気をつけよう輸入食品』(学陽書房・1988.3)
 『輸入食品Q&A』(ラジオ技術社・1989.12)
 『ポストハーベスト農薬汚染』(家の光協会・1990.6)
 『コメ自由化の落とし穴』(毎日新聞社・1991.12)(共著)
 『暮らしの安全白書』(学陽書房・1992.1)(編著)
 『食品添加農薬』(学陽書房・1993.11)
 『輸入米は危ない』(エイト社・1994.3)(共著)
 『住まいにひそむ農薬がわかる本』(学陽書房・1995.11)(編著)
 『健康な住まいを手に入れる本』(コモンズ・1997.5)(編著)
 『遺伝子操作食品の避け方』(コモンズ・2000.2)(編著)
 『健康な赤ちゃんを産み育てる本』(ジャパンタイムズ・2001.12)(日本版監修) 
 『食べるな、危険!』(講談社・2002.10)(編著)
 『食べたい、安全!』(講談社・2003.4)(編著)
 『食べ物から広がる耐性菌』(三五館・2003.10)(共著)
 『新・食べるな、危険!』(講談社・2005.9)
 『使うな、危険!』(講談社・2005.9)
 『リサイクルは資源のムダ使い』(講談社・2007.6)
 『素敵な節約!』(三五館・2007.9)
 『生活防衛ハンドブック』(講談社・2008.9)
 『食べなきゃ、危険!』(三五館・2010.2)(共著)
 『食事でかかる新型栄養失調』(三五館・2010.12)(共著)
 『放射能を防ぐ知恵』(三五館・2011.6)(共著)
 『生活防衛ハンドブック』(食品編)(講談社・2012.2)
 最新『食べるな、危険!』(幻冬舎・2013.1)
 
 ●ビデオ
 『ポストハーベスト農薬汚染』(1990.10)
 『輸入米は危険だ』(1992.4)
 『ポストハーベスト農薬汚染2』(1995.4)
 『不安な遺伝子操作食品』(1997.10)
 『命が危ない! 耐性菌汚染』(2005.1)
 
 ●韓国で翻訳された本
 『ポストハーベスト農薬汚』
 『暮らしの安全白書』
 『遺伝子操作食品の避け方』
 『食べるな、危険!』
 『食べ物から広がる耐性菌』
 『使うな、危険!』
 
 ●韓国で翻訳されたビデオ
 『ポストハーベスト農薬汚染』
 『ポストハーベスト農薬汚染2』
 『輸入米は危険だ』
 『不安な遺伝子操作食品』
 
 ●台湾で翻訳された本
 『食べるな、危険!』
 

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