代表小若順一が「安全基金の活動と考え方」を月刊誌『食品と暮らしの安全』に連載中!
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TPPを逆手にとって農業改革を 安全基金の活動と考え方(96)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 減反政策が5年後に廃止されると決まりました。これは、高齢化でコメの生産をやめる生産者が増えて、減反する意味がなくなったことを意味しています。
 農協は、TPPで重要農産品5分野の関税撤廃を拒否することに執着し、多くの消費者団体は、それを支持しています。

 これでいいのでしょうか。

 ガット・ウルグアイラウンドで、ミニマムアクセスを認めることで決着したのは最悪の選択でした。関税化を選んでいれば、コメの輸入は少なくてすんでいたからです。
TPPに対する基本的な姿勢は、次の3つであるべきです。

1.関税をすべて撤廃するのは、基本的に間違っており、最適関税を課すことが貿易の基本。(槌田貿易理論:月刊誌「食品と暮らしの安全」189号)
2.安全性を後退させないこと。
3.TPPを逆手にとって改革を進め、利権を排除すること。

 減反によって、農業をやりたい人は機会を奪われ、農業をやりたくない人にも補助金が支給されてきました。 これが、農業を衰退させてきた大きな要因です。
 ですから、減反廃止は歓迎すべきこと。現在のピンチをバネにして、減反を廃止して改革を進めないと、日本農業はお終いになります。
農業をしたくない人から農地を手放させ、したい人に集約することが、まず必要です。
農地を流動化させる政策への反対論は、まず「先祖伝来の農地」と言いますが、ほとんどの農地は1946年からの農地改革で農家が手に入れたもの。 先祖伝来ではありません。都市部では、タダ同然でもらった農地を宅地に変えて何億円ものお金を手にし、農業をやめた農家がたくさんあります。
 過去のことはさておき、農業をしたい人が、農業をするのがいいのです。
 農業をしたい人の中には、株式会社も含めるべきです。参入を自由にしないと、本当に強い農業にはできません。 ただ、農地に投機資金が入ることだけは完璧に阻止する必要があります。 それを止める法律をつくり、違反したら多額の罰金を取るようにして、投機資金の流入を止める措置は講じておかねばなりません。
 コメ生産を大規模化すると、コメを作り過ぎて価格が下がります。しかし、こうして一定の競争をすることが、日本のコメの未来を切り開く力になります。
一方、コメ価格が下がると、中山間地では農業ができなくなる農家が続出します。 そうなると国土が荒廃するので、条件不利地のコメ生産農家に所得を補償して、その農地を維持する必要があります。
将来の食糧自給を考えると、中山間地の農業を守ることは非常に重要で、減反廃止で浮いたお金は、ここに充てるべきです。
 政治は、広く薄く農家に補助金をばらまいて票を獲得してきました。しかし、そんなお金では農業を守れませんでした。 TPPの結着後は、中山間地に集中して税金を注ぎ込んで農業を守りながら、平場の農業は改革を進める、これが農政の基本政策であるべきです。


2013年12月1日発行 No.296より

安全基金の活動と考え方(97)「民間療法の手を差し伸べよう」

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