代表小若順一が「安全基金の活動と考え方」を月刊誌『食品と暮らしの安全』に連載中!
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原発を動かすなら、電気料金100倍に 安全基金の活動と考え方(92)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 「原子力規制委員会が厳しい基準を設けて、安全性を確保してから原発を運転する。
原発の運転を再開しないと電気料金が高くなる」というのが自民党の言い分です。
 しかし、運転すると生成する放射性物質の保管費用の高さが無視されています。
放射性廃棄物が、隔離されたまま貯蔵できると仮定しましょう。 それでも、原発を運転すると、核燃料の中に高レベル放射性廃棄物が溜まっていきます。
これを人類社会と切り離して、数十万年は保管しなければなりません。

 人への害が天然ウランと同程度になるまでに1万年近くかかると、文部科学省は言いますが、1万年はウソ。
高レベル放射性廃棄物の代表的な成分プルトニウムの半減期は2万4000年。1万年では危険過ぎます。
 高レベル放射性廃棄物の放射性を弱め、量を減らせばいいと、文部科学省は、 研究施設を、東海村に造ることを決め、来年度に予算要求することにしたと報道されています。
 ところが、この研究は基礎段階で失敗が続き、プルトニウムや、半減期が214万年のネプツニウムに、放射線を正確に当てる技術ができていないのです。 それなのに、展望のない大型施設を造るのは、高レベル放射性廃棄物の処理に展望があると見せて、原子力利権で儲け続けるため。許してはいけません。
 2万年ほどたてばプルトニウム濃度が半減して、高レベル放射性廃棄物では威力のある核爆弾は造れなくなります。
しかし、環境からの隔離はもっと長時間が必要です。半減期の10倍たつと1000分の1ほどに減り、 通常は無視できるようになりますが、プルトニウムは強力な発ガン物質なのでもっと少なくならないと安心できません。
 半減期の10倍を3回繰り返せば、10億分の1に減り、無視できるようになります。
つまり、プルトニウムを考えると、70万年ほどの貯蔵が必要になるのです。

 歴史を遡ると、70万年前は、人類の祖先で、アウストラロピテクス原人の時代。 その後、旧人類といわれるネアンデルタール人が登場し、現代の人類につながるホモ・サピエンスが登場したのは16万年ほど前です。
 種としての人類は、存在していない可能性がある期間に耐える保管が必要です。
高レベル放射性廃棄物の保管費用が、1年に10億円かかると安めに仮定して、10万年保管すれば100兆円になります。
 ここから先はコストが安くなるとしても、さらに数100兆円の費用が発生します。
 これを電気料金に上乗せすると、電気料金は100倍ぐらいになります。
原発を運転して遠い将来にまで悪影響を押し付けるのは「倫理に反する」犯罪的な行為だという意見が高まり、ドイツは原発の廃止を決めました。
一方、日本は、大事故を起こしたというのに、原因解明も事故対策もおろそかにしたまま、原発を何とかして運転しようとし、輸出を促進しています。

 醜くて愚かな行為をしている安倍首相が、「美しい国」を口にするのは、日本人としてこの上なく恥ずかしく思います。


2013年8月1日発行 No.292より

安全基金の活動と考え方(93)「核抑止力も原発も捨てる」

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