代表小若順一が「安全基金の活動と考え方」を月刊誌『食品と暮らしの安全』に連載中!
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「考えは刻々と変わる」 安全基金の活動と考え方(29)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 「かつての発言と違うことを言っている」
テレビ討論を聞いていると、こんなこと言うジャーナリストがいます。
 国会での発言は、法律の制定に関することで、法律は、一度決めると、改正されるまでは変わらないため、この発言でもいいわけです。
 しかし、一般的にはおかしな発言です。
 状況に対応して取材しながら生きているジャーナリストが、事象への対応方法をめぐって、こんな意見を言うのは思考が停止している証拠。
物理や化学で決まっている原則は変わりませんが、その原則に当てはめる条件が変化すれば、対応策も変化します。 社会は常に動いているので、対応策も常に変化するので、真剣に何かを解決しようとしている人は、それを探り続け、考え方も刻々と変化していくはずなのです。
 ところが、困ったことに、考えが変化に対応できず、思考が停止してしまうのです。 思考が停止しないようにするのが大きな課題なのに、「前と考えが違う」と批判する人がいるのは、困ったことです。
 時代の流れが速いのに、考えを変えない人が国民の過半を占めるので、政治が変わらないのでしょう。市民運動も、考えが停止しないよう心がける必要があります。 どんな問題も変化していきますが、課題に取り組んでいるうちに、その課題が解消し、別の課題になるケースがあります。 そんな例として、ダイオキシンを取り上げましょう。
 昨年、東京都の多くの区は、「不燃ゴミ」を「可燃ゴミ」に変更しました。その理由は、プラスチックは燃えるのに「燃えない」として埋め立て、 しかも、それが埋め立て量の52%を占めていたからです。 これでは、湾岸部の埋立地は、将来にわたって地盤沈下や有害ガスの発生に悩まされ続けることになります。 だから、可燃ゴミにして、一部は焼却時の熱エネルギーを利用しながら、埋め立てる量を減らそうというわけです。 燃やすとダイオキシンが生成するので、かつては大問題でしたが、今は技術的な解決を終えています。
 ダイオキシンが生成する最適温度帯は300度から600度。ところが、排ガスの電気集じん器が300度で運転され、ダイオキシンの生成装置になっていたことを、20年ほど前に横浜国立大学・環境科学研究センターの花井義道助手が見つけました。改善に時間はかかりましたが、排ガスを急冷して、150度で運転しても集じん性能が出るようになってからは、ダイオキシンの生成量が劇的に減りました。 こうなってからは、電気集塵機が故障したときの対処や、集塵機が出す残渣を安全に処理することに、論点が移っています。
 燃やせるものは燃やして、熱を有効利用するのが、省エネ社会に向けての課題。だから、ゴミの水分を減らして熱量を増やすなど、新たな発想が必要になっています。


2008年5月1日発行 No.229より

安全基金の活動と考え方(30)「真珠貝にエサを与える中国」

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