代表小若順一が「安全基金の活動と考え方」を月刊誌『食品と暮らしの安全』に連載中!
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高層ビルの断熱材が燃える! 安全基金の活動と考え方(151)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 1月11日、東京・新橋で建設中の27階建て高層ビルで屋上の断熱材が焼け、大量の黒煙が上がって、4人がケガをしました。
 2018年7月には東京都多摩市の建設工事現場の地下3階でガスバーナーを使って鉄骨を切断中、飛び散った火花がウレタン断熱材に引火して火災が起き、40人以上が負傷し、5人が死亡しています。

 ウレタン断熱材が使われた一般マンションでも、こういう火事が起こります。
 死亡したケースは、ウレタンが燃えて出た猛毒のシアン化水素で肺をやられたか、一酸化炭素中毒で酸欠になって倒れたのが原因、と考えられます。
 燃える素材を断熱材に使う場合は、必ず難燃剤を入れて燃えにくくしているので、よほどのことがない限り、燃えません。
 それでも燃えたら、猛毒ガスが発生し、負傷者や死者まで出ることが、建設現場とはいえ2度の火事で実証されたのです。

 断熱材は湿気が入ると性能が低下するので、空気と接しています。だから、もし燃え出すと壁の中に設置していても酸素が供給されて、燃え続けることになります。
 将来、高層ビルが古くなって補修するとき、火事が次々と起きる可能性があるのです。
 古くならなくても、配線工事や改修工事で壁に穴を開けるときや、地震で漏電してスパークしたときに、高層ビルや大型ビルで断熱材が燃えて、何百人も亡くなるような危険があるのです。
 塩ビの壁紙は、燃えると塩酸ガスが出ます。だから高層ビルや大型ビルでは使わない方がいいのです。

 断熱材は、一定以上の厚さが必要なことと、建物や部屋を全面的に覆わないと効果がないので、素材の量が多くなり、塩ビ壁紙より潜在的な危険度が高いのです。
 高層ビルや大型ビルで使える断熱材には、燃えない素材しか使えないように規制する必要があります。

 一方、木造住宅の場合は、そもそも燃える素材でできているので、断熱材もそこそこの難燃性があれば十分です。
 編集部がある3階建ての木造建築は、天井20p、壁10pの羊毛断熱材を入れています。
 羊毛はホウ酸で難燃処理されているので、簡単には燃えません。このホウ酸はゴキブリやシロアリの駆除剤として用いられるので、害虫を防いでくれます。
 窓はペアガラスに障子を付けているので、断熱性能は良好。本来ならエアコンが12機必要な広さですが、冬は1階の1機を24時間稼働させるだけで、2階と3階は快適です。
 低層建築は建材の自由度を高くして、工夫して快適になるように競争すればいいのです。
 しかし、高層建築や大型ビルは、いざというときの危険度が非常に大きいので、高さや規模の大きさに応じて、素材の規制を段階的に強化しておくことが必要です。
 相次ぐビル工事火災が、断熱材の危険性を警告しているので、まず高層ビルを、グラスウールやロックウールのようにまったく燃えない素材しか使えない指定制度にする必要があります。 指定のない素材を使いたいときは許可を取ればいいのです。


2019年2月号No358より

安全基金の活動と考え方(152)『韓国からの観光客を大切に』

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