代表小若順一が「安全基金の活動と考え方」を月刊誌『食品と暮らしの安全』に連載中!
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小さじ少々の核物質で破裂事故 安全基金の活動と考え方(138)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 核燃料を長期保管すると爆発事故が起こると警鐘を鳴らしたのが、原子力機構のプルトニウム破裂事故です。

 事故後2週間たって、プルトニウムとウランを固めて接着するのにエポキシ樹脂が用いられていたと公表。退職した職員に聞き取り調査して、やっとわかりました。

 事故から42日後にわかったのは、26年間一度も開封されていなかったはずが、 貯蔵して5年後に、ポリ容器の底の破損や、ビニル袋の変色が見つかり、問題が起きた容器や袋を取り換えていたことです。
 まだ発表されていない隠されたポイントは、プルトニウムとウランの量。内径9.2pの、ポリ容器に入るアルミ板をくり抜いたカ所でエポキシ接着剤と混ぜ、 その上をエポキシ接着剤で塗って、アルミ板と一体化させたものなので、小さじに少々です。 このポリ容器を二重ビニル袋に入れて密封し、金属容器の中に入れていました。

 プルトニウムとウランをエポキシ接着剤と混ぜて固めると、出るアルファ線は、すべてエポキシ樹脂に当たって、エネルギーは樹脂の分解に使われます。
だから、少量なのに水素ガスと一酸化炭素ガスが多く出て、破裂事故になりました。
 作業員が金属容器のボルトを4本外して、最後の2本をゆるめると、シュッと音が。
調べると汚染はなかったので、2本のボルトをもっとゆるめるとビニル袋が膨らみ、フタが浮き上がってきました。 2分前に別の容器で同じ作業を行ったときも、ビニル袋が膨らんでいたので、そのままボルトを外して、フタを取ったら、ビニル袋が破裂したのです。

 プルトニウムを作業員が吸い込んだことは、微粉末になっていたことを示しています。
エポキシ接着剤が分解するとプルトニウムは粉末になって下に落ち、アルファ線が容器に当たるのでポリエチレンも分解されます。
そして、水素ガスと一酸化炭素ガスが発生し、金属容器の中は高圧になっていました。
水素ガスは分子が小さいので二重のビニル袋も簡単に通り抜けます。だから、シュッと音をさせたのは、ビニル袋の外に出ていた水素ガスです。

 原子力機構は事故後に実験して、エポキシ樹脂からガスが出ることを確認しています。袋が破裂すると、プルトニウムはポリ容器から出て、袋の上から飛び散りました。
小さじ少々のプルトニウム貯蔵に26年で失敗した原子力機構の科学技術者たち。この人たちが、2万トンの使用済核燃料を何10万年も保管することになっているのです。
 核燃料を処理し、貯蔵すると、気体が発生することがわかりました。
小さじ少々のプルトニウムが、ガスを発生させ、破裂事故を起こしたことは、大量の使用済核燃料を処理し、貯蔵すると、爆発事故が起きる可能性を示しています。

 原発と核関連施設がある県に住む人は、貯蔵している核燃料を長期間、どうやって安全に管理するのか、出てくる気体は安全か、と知事宛てに公開質問状を出してください。

2017年8月1日発行 No.340より

※2017年8月4日に写真が公表され、「大さじ2〜3杯」だったとわかりました。
 核物質をエポキシ樹脂と混ぜ、アルミの型板にはめたまま、ポリ容器に 1 枚入れたと思っていたら、樹脂何十枚かを抜き出してポリ容器に入れていました。 思ったより核物質は少なそうなので、プルトニウムとウランは大さじ2〜3杯と思われます。
 これくらいで破裂事故を起こした核技術者たちが、2万トンもの核廃棄物を保管する点は同じです。
2017年9月号No341より

安全基金の活動と考え方(139)『電気自動車がダメな8つの理由』

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