代表小若順一が月刊誌に連載していた「安全基金の活動と考え方」です。
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「人に効く」は再検証が必要 安全基金の活動と考え方(134)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 バレンタイン商戦で、チョコレートが健康に良く、病気を治すと何度も紹介されました。
心臓病のリスク低減、動脈硬化の抑制、血圧の低下、冷え症の改善、美肌効果、ストレスの抑制、 脳機能の改善、集中力・注意力・記憶力を高める、免疫力の向上、ガン予防、アレルギー予防、胃潰瘍の予防……

 チョコレートの原料であるカカオ豆には、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルがバランスよく豊富に含まれています。
先月号の大特集「ミネラル不足食品」で実証したように、現代人の大半は心身が不調になるレベルのミネラル不足なので、 チョコレートを食べて不足が解消されれば、ほぼ万病に効くのは疑いようがありません。
 しかし、病気に効くのがチョコレートに含まれる「特定の物質」によるという説は、チョコレートでは実証できません。
チョコレートの効果を確かめるには、毎日一定量を食べて、摂取前後の血圧を測定し、血液検査などをして身体の状態を確かめながら、一定の日数を調べることになります。
有効数の人で実験して比較すれば、実験結果は有効です。しかし、チョコレートに含まれる特定の物質が効いた、という実証はできません。
 不足している必須ミネラルを補給すれば、健康状態が良くなるのは当たり前。ミネラル補給で、心身の調子が良くなるので、特定の物質が効いた、と証明することはできません。 特定の物質が効くというデータは別にありそれは有効とされていますが、これも人の試験でミネラル摂取量を実測していないので、本当は無効に近いデータです。
 特定保健用食品(トクホ)は、効果が科学的に証明されたことになっていますが、治験者が摂取した食事のミネラルを実測しないので、本当は、効果が科学的に証明されていません。
チョコレートは、ミネラル不足を解消して病気や不調を治しているのですから証拠を示して、 チョコレートが健康に良い、病気が治った、健康的ダイエットに有効と宣伝するのは問題ありません。 ミネラル不足で出ている障害は、ミネラル補給でしか治せません。 それなのに医薬品業界は、ミネラルを含まない医薬品で病気を治そうとします。  医薬品は有効性が確認されていますが、これも治験者が摂取したミネラルを実測していないので、有効性の立証が不十分です。 子どもの病気の治験を行うとき、薬を注射した帰りに、チョコレートを買って食べさせると、薬は効いていないのにチョコレートが効いて、有効と間違って判定されます。  十割蕎麦やレバニラ、カキを食べても、そうなりますから、食事のミネラルを実測しないと本当に効いたかどうかわからないのです。  病気になると食事を作れなくなり、出来合いのものを買って食べるので、ほとんどの人がミネラル不足になっています。 食事に含まれるミネラル量で健康が左右されるときに、その影響を確かめないで、病気に有効かどうかを判断してきたことは、科学的には誤りで、制度上の欠陥です。  多くの医師が「効かない」と感じている医薬品は、国と製薬会社は効くとしていても、有効性を確かめ直す必要があります。


2017年3月1日発行 No.335より

安全基金の活動と考え方(135)『東芝の今は、日本政府の未来』

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