代表小若順一が「安全基金の活動と考え方」を月刊誌『食品と暮らしの安全』に連載中!
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スズキ燃費問題で基準改正を 安全基金の活動と考え方(127)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 三菱自動車のデータ偽装と、スズキの燃費データの不正は、車の盗難事件と駐車違反ぐらい悪質度が違います。
 それを、マスコミは同列の事件のように扱い、しかも、国の基準に問題があることを取り上げません。

 基準に基本的な問題があることを指摘し、国に改善させないと、自動車産業の競争力が落ち、日本経済が沈没する原因になります。
 「不正の手口」と報道された内容は、スズキが、タイヤ、ブレーキ、変速機などのデータを実験室で測定して積み上げ、 車体が受ける空気抵抗も自然の風を受けない屋内装置で測っていた、というもの。

 このどこが悪いのでしょうか。

 燃費をめぐって熾烈な開発競争が行われているのに、自然の影響を受けるところで計測していたら、細かいデータが得られません。
 自動車の性能競争は限界に近いところで行われているので、パーツを改善し、実験室で正確なデータを積み上げ、ほんの少しずつ改善してくしかないのです。
 「コスト重視」「測定費用惜しむ」とスズキは叩かれています。 しかし、これはほめるのと裏腹な内容で、この結果、世界で競争できる車を生産できているのです。

 欧州では、代表的なモデルを走らせて測定し、ほかのモデルは実験室での測定値を積み上げて補正する方法が認められています。
 「欧州で認められているから、日本でも使っていいだろうという法令意識の希薄さがあった」と、マスコミはスズキの説明を書きながら、 日本の基準が遅れていることをまったく指摘していません。

 カタログに表示されている燃費より、実際の燃費は2割ほど悪くなると言われています。 乗る人が増えたり、荷物を積んだり、坂道だったり、渋滞に巻き込まれたりして、余計に燃料を使うからです。
 しかし、2割どころではないケースがあるとの報道があります。
 トヨタのハイブリッド車プリウスの4代目モデルは、カタログ燃費がTL当たり37.2〜40.8㎞なのに、実燃費は26〜27㎞で、3割以上悪くなるとのこと。 測定の仕方が異なるアメリカでは、実燃費は23㎞で、4割以上悪くなるそうです。
 3割以上違う車種があるなら、数%誤差が出ても、スズキで実害を受ける人はいません。
 日本の燃費基準では、第一段階で、各社のテストコースで車を走らせ、第2段階で、国が室内の試験場で「台上走行試験」を行うことになっています。
 自然条件に左右される検査データを使って低燃費の開発競争をできるはずはありません。

 スズキ問題の本質は、官庁と天下り役人だけが楽できる日本の遅れた燃費基準を、合理的に改善させることです。
 まずは、欧州の基準を「日本と同等以上」として、日本でそのまま採用することが必要です。
 これだけだと、役人は遊んでいるのと同じですから、カタログ燃費と実燃費の違いが、一定範囲に入るようにさせることを国の義務にして、 国土交通省の役人に真面目に仕事をさせることが必要です。

2016年7月1日発行 No.327より

安全基金の活動と考え方(128)『トルコに原発を輸出するな!』

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