代表小若順一が「安全基金の活動と考え方」を月刊誌『食品と暮らしの安全』に連載中!
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「紛争」で、とんでもなく貧しくなる 安全基金の活動と考え方(126)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 原発事故に動員されて被曝した人たちの組織「チェルノブイリ連盟」は、国から支援を打ち切られて、今年1月から給与を出せなくなり、 組織が瀬戸際に立たされていました。

 2年前にクリミア半島をロシアに盗られ、東部2州で紛争が起きたウクライナは、驚くほど貧しくなっています。
 欧米派の住民が独立広場を占拠し、それに対抗した政府側がスナイパーで100人ほどを撃ち殺したのですが、それが世界に発信されるたびに、旅行者は減りました。
 2014年3月16日にクリミアで住民投票が行われているとき、私はウクライナへ行っていましたが、 そのときにはもう、旅行業者は倒産するか、人員削減をしていて、私が利用する業者は、人を1割に減らしていました。
 国内で少しでも紛争が起きると、その国へ旅行する人がピタリといなくなることを知らないで、日本は、国防や領土について主張を述べ合っています。
 徴兵制度を廃止した翌年に東部で紛争が起きたウクライナは、やむなく一部の人を指名する徴兵制を復活させました。  そこで、徴兵にとられた人の給与を聞くと、誰もわかりません。給料は出ていてもほんの少しで、 残された家族は自分たちの収入だけで暮らし、兵隊が死んでも家族に手当は出ないというのです。
 紛争に負けないのが国の最優先課題ですから、そんな徴兵制でも仕方ないとして、 第2の優先課題は、紛争地になった東部から逃げ出して国内難民になった100万人を食べさせることです。
 この2つだけで、国は事実上の破産状態。
 そのウクライナに一番多く援助しているのが日本で、ウクライナ国民はそれを知っていますが、日本国民は誰も知りません。
 紛争が起きる前、日本とウクライナの個人収入の格差は6倍ぐらいでした。今は20倍ぐらいになっています。
 ただ、生活だけを比較すると、それほどは差がありません。
 25年ほど前までは、家・庭・畑を国から与えられる共産国だったので、田舎は今でも、ジャガイモ・野菜を自家畑で作り、 鶏を飼って卵を自給し、牛を共同で飼って牛乳も自給し、肉も冷凍してかなり自給しています。
 だから、田舎は月給が6000円ほどに減っているのに、食生活は意外と豊かです。
 首都キエフでも、多くの人が週末は田舎に戻って自給農業をしています。
 ウクライナを参考にして、日本で紛争が起きると、どうなるかを考えてみましょう。
 周辺海域で小さな衝突が起きて、そこから小さな紛争になると、海外からの旅行者は激減します。そうなると、借金のあるホテル・旅館はバタバタと倒産。
 株は下がって、年金の原資が減り、年金は支給額を下げざるを得なくなります。
 不況で税収が減るので、日本政府はさらに多くの赤字国債を出し、それでインフレに襲われ、国民生活は急に貧しくなります。

 食糧を家庭で自給しない日本は、飢える人の数はウクライナより多いかもしれません。
 ちょっとした紛争から、国が貧しくなるのは、他人ごとではないのです。

2016年6月1日発行 No.326より

安全基金の活動と考え方(127)『スズキ燃費問題で基準改正を』

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