代表小若順一が「安全基金の活動と考え方」を月刊誌『食品と暮らしの安全』に連載中!
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子孫に危害を加えているマスコミ 安全基金の活動と考え方(124)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一


 「大震災から5年」特集を新聞もテレビも行っていますが、問題点が3つあります。

 第1は、「食品の100ベクレル/kg規制」への批判がないこと。
 事故までは、100ベクレル/kgを超えたら放射性廃棄物にしていました。
 事故後は、放射性廃棄物を食べていいことにして500ベクレル/kgの暫定基準を作り、事故から1年後に、 放射性廃棄物を食べない100ベクレル/kgに戻しました。
 化学物質は安全率を掛けるのに、放射能は安全率を掛けなかったことをマスコミは報道しません。 それどころか、基準以下を怖がるのは「風評被害」と言うのです。
 ウクライナでは、日本の基準の90分の1レベルの食事を食べている住民の7割に頭痛が出ていました。
 実害が出る食品を、マスコミは風評被害と擁護して、被害を増やしてきたのです。
 現代の風潮では、私たちの実績を紹介しにくいでしょうから、 批判的に取り上げたり、検証報道をすればいいのですが、それもしないマスコミの能力低下は目を覆うばかりです。

 第2は、人を守る視点が弱いこと。
 (「報道ステーション」は例外でした)
 NHKスペシャル「被曝の森〜原発事故 5年目の記録」は、住民が避難した無人の街中を、 イノシシの群れが堂々と歩き、無人の家にアライグマが侵入して暮らすなど「野生の王国」化が進むことを描いた作品です。
 労力をかけていますが、2011年のチェルノブイリ「被曝の森はいま」をなぞっただけ。
 ホットスポットを可視化する装置で、イノシシの家族が汚染を受ける状況を紹介して、 新鮮味を出していますが、この装置は、人が住む地域で、住民の被曝を減少させるのに用いるのが本来の使い方です。 人が住んでいる近くに、林や森はいくらでもあるのに、この装置で汚染の実態をあばくと住みにくくなるので、無人地域で使っているのです。  浪江町のアカネズミの細胞の染色体を3400個ほど調査し、青森県弘前市のネズミと比較すると、異常が出なかったので、数万個の分析が必要だと同番組で紹介しました。  動物に異常が出たと確認されてから、人の調査を行う方式です。 しかし、放射能で被害が出るまでには時間がかかるので、人の被害調査までは、たどり着きません。
 こうして、被害者が増えていくのです。

 第3は、遺伝の視点がないこと。
 放射能汚染の最大の問題は、子孫に危害を加えることです。
 精子や卵子の遺伝子の、分子1つが入れ替われば、子孫は全身50兆個の細胞のすべての遺伝子が入れ替わるので、能力が下がるか、運が悪いと遺伝病にかかります。
 子孫が、人生を棒に振るような遺伝の被害を受けるのが、放射能汚染の特徴で、このことは、過剰なほど訴える必要があるのに、誰も触れないのは、「情けない」の一言です。
 子孫への被害はまだ見えませんが、どんなに微量でも、それなりに子孫に危害を加えるのも、放射能汚染の特徴です。

 私たちは、1ベクレル/㎏規制を目指しますが、被曝は少ない方がいい、という基本姿勢は堅持します。

2016年4月1日発行 No.324より

安全基金の活動と考え方(125)『「捨てればいい」ではない』

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