代表小若順一が「安全基金の活動と考え方」を月刊誌『食品と暮らしの安全』に連載中!
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「反射神経」と「勘」 安全基金の活動と考え方(10)

食品と暮らしの安全基金代表 小若順一

 私が物事を深く考えるのは原稿を書くときだけ。パソコンの画面にいろんな考え方をちりばめ、それぞれを比較しながら矛盾やバランスの悪さを修正していきます。最後には、当初考えていた結論が正反対になることも珍しくはありません。
 でも、それ以外の時に結論を出すのは「反射神経」と「勘」です。動物は、この2つで何億年も生きてきたので、人間もこれを基本に生きるのがいいと思っています。

「反射神経」と「勘」はかなり違います。

「反射神経」は、事態の変化に応じて即決していくこと。
例えば、新事務所をコンクリート外断熱から木造に切り替えるとき、建築士は私を説得するのに時間がかかると思っていたそうですが、私はスタッフの報告を読み終える前に、切り替えると結論を出していました。
「予算不足なので、考える余地はもうない」と反射的に思ったわけです。
本誌の編集では、原稿を納得できるまで直すのは当たり前ですが、印刷に入れる直前や、印刷を止めて原稿を差し替えることもあります。時間に余裕がないので、反射神経で事態の変化に対応するしかありません。

 一方、「勘」は多様です。動物には「予知能力」という「勘」もありそうですが、人はそんな能力を自由自在に使えないので、意図して「勘」を磨かねばなりません。
私は、潜在意識に情報を入れて、時間をかけて「アイデア」や「直感」が湧くのを待つようにしています。
課題が強烈なら、潜在意識に簡単に入っていきますが、そうでなければ「繰り返し」が必要です。

 そこで私は、当面する課題や、自分がしたいことを書いたリストを作っています。このリストを見ながら、新たな課題を付け加えたり、修正したり解説を加えているのです。
こうして毎日リストを更新していくと、簡単に処理できるものはすぐ消えてしまいます。そして、重い課題だけが長く残るので、繰り返し読むことになり、その難問はやがて潜在意識にしみ込んでいってくれます。
こうしておくと、特に考えなくても、とてもできそうになかった難問への解決策やアイデアが、突然わいてくるのです。そのときは何をさて置いてもメモします。アイデアが出てくるときは次々と浮かんできて、解決に至るまでつながってしまうことも多いので、その項目をもとに、整合性があって納得がいく内容に練り上げ、実行に移します。

この十年の間で、一番すごかったのは、ブロイラーの鶏糞が耐性菌の元凶というアイデアがわいたとき。眠りに入ろうとしたときに次々とアイデアが浮かび、問題点が見えてきました。そのまま眠気がなくなったので机に行ってアイデアをすべて書き留めました。その後、何ヵ月もかけてブロイラーの現場を取材したところ、イメージどおり鶏糞はさらさらに乾いており、それを鶏がついばんでいました。ブロイラー生産は、強力な抗生物質耐性菌の培養工場だったのです。

 次回は、「優先順位をつけて提案する・唯比較論」について書きます。


2006年10月1日発行 No.210より

安全基金の活動と考え方(11)「優先順位をつけて提案する「唯比較論」」

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