国際会議
コーデックス・第3回バイオテクノロジー応用食品特別部会
(横浜)速報 -3月1日-
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本日のまとめ

分析方法に関する作業部会(第二回)

議長国:ドイツ (霞ヶ関・厚生労働省にて)

 

1. 分析方法に関する作業部会の背景


●2000年3月14日〜17日
第1回バイオテクノロジー応用食品特別部会(幕張)で遺伝子組換え食品の分析方法に焦点をあてた作業部会が設置される。
●2000年9月〜11月
分析検査に関する情報提供を各国政府・関係機関に求める。
●2001年3月23日
第1回 分析方法に関する作業部会(東京)が開かれる。
●2001年3月25〜29日
第2回 バイオテクノロジー応用食品特別部会(幕張)で検査方法、およびその関連情報に関する登録リストを作成することが合意された。
●2001年8月
分析検査に関する情報、検査法のValidation(実証検査)に関する情報を各国政府・関係機関に求める。
●2002年3月1日
第2回分析方法に関する作業部会を迎える。

 

2. 参加日程、参加内訳

開催日:2002年3月1日
議長国:ドイツ
議長:マリアナ・シャウツ博士(ドイツ)
参加人数:41名
参加国:15ヶ国 + 6団体

 

3.会議前に寄せられたコメント

2001年8月までに各国政府・関係機関から寄せられた分析方法、実証試験(*)に関する情報が24ヶ国とECから寄せられた。その主なものを以下にまとめる。

*「実証試験」:遺伝子組換えの分析方法にはさまざまなものがある。この方法が適切であるかどうか確かめるため(いつも安定した結果が得られるかなどの意味で)、複数の検査機関がリングテストと呼ばれる同一資料での検査を行い、有効性を確認すること。日本は、遺伝子組換えの分析方法の実証試験が世界でもトップレベルで進んでおり、国としての標準分析法を定性・定量試験とも、決定済みである。

登録リストは
・ GMO由来の食品、遺伝子素材の検査方法、同定に関する国際的な情報の中央センター、情報発信源になるべき
・ 二重の努力がされないように、検査方法の開発における国際的協力をうながすべき
・ GMOの存在を確かめたり、表示を確認するために、国際的に一貫性のあるアプローチがとれるようにするべき
・ 一般市民のGM食品に関する法規制に関する信頼感を強めるべき
であるとの意見が寄せられている。
また、登録リストに含まれるべき情報には以下のものがあげられている。
・ GMOの検出、同定に必要なすべての標準物質*
・ GMOの許可に関する特定の特徴と条件
・ 科学的論文に発表されたものや各国規制になっているもの方法のみ
・ 複数の研究所や、コーデックス基準に認められた原則、手順を守っている実証試験のすんだ検査方法のみ
・ その他の情報データ―ベースとのリンク
*標準物質=組換え体を検地するために必要となる情報(reference material):遺伝子組換えの分析は、組換え体と非組換え体を比較することで行われる。そのため、この両方の物質の情報が必要である。具体的には、@輸入可能なGM作物の種類と、導入されている組換え遺伝子の情報(DNA塩基配列、検知用DNAプライマー)や試料(組換えタンパクの抗体)、A対象となるGM作物の純粋な種子と、non-GMの種子など。

登録リストの場所
・ コーデックス委員会、FAO、WHOなどの国際機関に置き、インターネットによりアクセスできるようにすべき
・効果的な管理、長期的なサービスができるところであれば、場所は問わない。

 

4. 作業部会での話し合いの結論

この会議の目的は、複数の検査機関で実証検査のされた検査方法のリストを作成し、これを改訂すること、コーデックス分析・サンプリング部会(CCMAS)に考慮することを提案する検査方法を認識すること、登録リストの目的や、それを設置するのに適切な場所、標準物質へのアクセスなどについて考慮すること。

コーデックス分析・サンプリング部会(CCMAS)に以下を提出することに合意した。
1.各国から寄せられた検査方法のリスト(実証試験ずみと報告されたもの)
2.上記に加え、日本、アメリカから提出された検査方法のリスト(ただし、アメリカに関しては資料がないため、保留)
3.イギリスとドイツが、検査法の実効性や標準物質に関することなどの主な問題点などを書いた報告書(報告書ができたら、CCMASとCTFBTの両方に、送付する。)
4.実証試験のすんでいない検査法

作業部会は、バイオ特別部会に対し、以下のことを推薦する。
・ 分析方法のリストを分析・サンプリング部会に考慮を求めて提出すること。
・ 分析・サンプリング部会に、各国の分析方法に基づいて、遺伝子組換え食品の分析方法について考慮することを提案すること。
・ コーデックスを通して、国連農業機関(FAO)、世界保険機構(WHO)が国・地域の機関の協力のもと、分析法の情報を作成、維持をすすめることを提案すること。

以下の事項が、話し合いが終わらなかったため、バイオ特別部会期間中の3月6日(水)に話し合ってから、バイオ特別部会に作業部会の結論として報告することとなった。

・ アメリカが新たにリストに加えたいとした検査方法のリストが、この作業部会では用意されていなかったため、これをリストに加えることが適切かどうか、アメリカは資料を用意し、各国で検討する。
・ 分析・サンプリング部会に提出する予定の書類のなかに、数箇所、"GMO"(遺伝子組換え体)という言葉が使われている。これに対し、アメリカが、コーデックスの基準は"food derived from biotechnology"(バイオテクノロジー由来の食品)という言葉を使っているはずなので、GMOの部分をすべて変更すべきと提案。どのような表現にすべきか、合意に達しなかったため、これを再度、検討することとなった。(第一回、第二回のバイオ特別部会で、長時間話しなわれた、基準のタイトルをGMOとすべきか、Food derived from biotechnology、もしくはmodern biotechnologyとすべきか、という議論を再び思い起こさせられた。今回の特別部会でも、このような、実質的でない議論が始まってしまうのではと、不安にさせられるアメリカの発言であった。)

 


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