国際会議
コーデックス・第28回表示部会
(カナダ・オタワ)-2000年5月9日〜12日-



-厚生省に申し入れ-

 

2000年4月28日


厚生大臣
丹羽 雄哉殿

日 本 子 孫 基 金
事務局長 小 若 順 一
102 -0083
東京都千代田区麹町2-5-2

 

健康表示に関するコーデックス規格について

 

私ども日本子孫基金は、食品と暮らしの安全に取り組んでいる消費者団体です。1997年より、IACFO(食品国際消費者機構)という国際NGOを、公益科学センター(アメリカ、カナダ CSPI:Center for Science in the Public Interest)と食品委員会(イギリスFood Commission)とともに結成しております。IACFOは1998年にコーデックス委員会のオブザーバーとして認められ、消費者団体の立場から、食品の安全、栄養などに関する提言を行っております。

IACFOは健康食品に関して、日本、アメリカ、イギリスで調査を行い、十分な規制のないまま、科学的に効能が証明されていない商品が販売されている実態などを、「健康食品への提言(FUNCTIONAL FOODS Public Health Boon or 21st Century Quackery?)」というレポートにし、コーデックス委員会を始めとする国際会議で、各国に配布、その問題点を提起して参りました。

来る第28回表示部会で、健康表示に関する議題が話し合われることになっています。現在、健康表示に関する草案はステップ3です。日本子孫基金およびIACFOは、健康表示は規格がコーデックスで作られることは好ましくないと考えています(添付したIACFO意見書を参照。)

健康表示の草案をステップ3にとどめることは、下記の4点で日本にとっても有益であると考えますので、私どもの意見を支持して頂くことをここにお願い申し上げます。

 

1. 現在の草案は、アメリカの健康表示を認めるものになっており、これが、コーデックス規格として認められれば、日本では容認できない健康表示のついた商品を輸入許可せざるを得なくなってしまいます。そうなると、無秩序に輸入された効果の疑わしい輸入健康食品と、日本の特定保健用食品が競合することになりますが、これは、日本にとって好ましくないと考えます。

2. 日本の特定保健用食品は、食品別に健康表示を許可していますが、これは、現在検討されているコーデックス草案とは、全く異なるものです。現在の草案が規格となれば、日本の特定保健用食品制度が影響を受ける可能性があります。しかし、コーデックスの規格が作成されなければ、日本の特定保健用食品制度は影響を受けないですむことになります。

3. 健康表示の国際規格を作ることにより、機能性食品・健康食品の貿易は推進されることが予測されます。しかしながら、消費者の健康の面から考えると、健全な食生活を推進することが第1の政策であるべきで、機能性食品や健康食品をこれ以上増やすことは好ましくありません。日本の消費者の健康を守るためにも、健康表示の国際規格は作られないほうがよいのです。

4. 現在、健康表示に関する法規制を持っている国は日本とアメリカだけです。従って、日本が「健康表示に関するコーデックス規格の作成は尚早である」という意思表明をすることは、コーデックスにおいて、大きな意義があると考えます。これは、日本が現在、栄養補助食品に関する法規制を検討中であることを考えても妥当なポジションであると考えます。