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片岡直樹医師インタビュー
    『テレビ・スマホの子守は危ない!』(2013/12)


「発達障害」と診断される子どもたちが増えていますが、
多くの子どもを治してこられた片岡直樹先生は、
乳幼児期の「育ち方」の影響と言います。

《片岡 直樹医師》
小児科医師
川崎医科大学名誉教授
岡山大学医学部小児科助手、川崎医科大学小児科講師、同大学小児科教授を経て、
現在「Kids21 子育て研究所」所長、「テレビに子守させない会」会長
※Kids21 子育て研究所 http://www.kids21.jp/



 テレビに子守をさせてはいけないらしい…
ということは広がってきましたが、自閉症との結びつきには否定的な意見がインターネット上でたくさん書き込まれています。

片岡  そういう意見を私も見ています。
ですが忘れてはならないのは、人間は、生まれてから、いくつものステップを踏んで、歩くことや言葉を含むコミュニケーション能力を獲得していくということです。 赤ちゃんが話せるようになる神経回路は、育てる大人が作るものです。
 世の中にある音に、心地よい音も不快な音もあると感じ、特にお母さんの発する音に注目して、「声」であると認識するのが、1歳になるころまでの時期です。 それまでは、赤ちゃんにとって、お母さんの声も、機械音?テレビの音やCDも同じただの音なのです。
 最近、赤ちゃんの頃はいい顔をお母さんに向けていたのに、1歳半2歳になっても話さないお子さんに出会うことが多くなっています。 動き始めるようになる6ヵ月くらいからテレビに子守りをさせた結果です。 テレビだけでありません。電子おもちゃ、スマホ、手で触って音が出るおもちゃを与えておくと、子どもは一人で遊んでいます。
3歳でテレビを消したけど、ちっとも話さない子がいました。家族に確かめたら、家の中に、音楽が鳴ったりする電子おもちゃがいっぱいありました。 その子は走り回って電子おもちゃを鳴らして遊んでいたのです。
 それを全部止めたら、台所の収納庫の開閉とか戸をバタンバタンさせて遊んでいます。 その子にとって、音が自分の遊びの対象になっていて、しゃべりません。言葉はゼロ。 お母さんの声が入りませんし、多動で、お母さんのやっていることを見ようともしません。
 問題はテレビだけではありません。たとえモーツアルトであっても、赤ちゃんの時期に音を流し続けるのはダメなのです。

●五感を磨き、感性豊かな人間に

 自閉症の子どもをもつ親が「テレビを見せ過ぎたせいだ」と言われることになり、いたたまれないという学者もいます。

片岡 言葉が出ないと気付いて、3歳までなら、赤ちゃんに戻って育て直しをすれば回復できます。
その希望の方が大きいのではないでしょうか。私のところに連絡してくるお母さんたちは一生懸命です。
テレビの害を知らないことが問題で、知っていれば、わが子に見せるわけありません。

 本当にその通りです。ポスター『テレビ・スマホの子守は危ない!』を、多くのお母さんたちの学習会で使ってほしいと思っています。

片岡 重い症状が出ている場合には、テレビを消しただけでは良くならないことも知っておいてください。
 大切なのは、子どもがお母さんの真似をしてくれるように仕向けることで、そこに至るまでは、お母さんにとって苦しい時期です。 真似してほしいけど、お母さんが仕掛けたら子どもは逃げて、寄ってきません。 「ちっとも言葉が出ないじゃない」などと焦るお母さんだったら鬱になって、子どもも良くなることはありません。

 では、どうすればいいのでしょうか。

片岡 私は、家族の人に、子どもの様子をビデオに撮って送ってもらって、かかわり方を電話で指導しています。

月刊誌「食品と暮らしの安全」2013年12月1日発行 No.296(一部抜粋)

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