「CO2地球温暖化説」は間違い

心配な寒冷化



元・理化学研究所研究員、元名城大学教授
槌田敦氏にインタビュー


●一つの事象で一喜一憂しない

 2009年6月1日に「ミニ氷河期前兆?」という記事が出ました。この報道にどう向き合えばいいのでしょうか。

槌田  黒点が減ると太陽活動が弱まると書かれていますが、 説はいろいろあるのです。太陽光が弱くなったら、地球が寒くなるのか、本はそこわからないので、 一つの事象が起きただけで、一喜一憂しない方がいいですね。

 今年の「涼しい夏」が寒冷化につながるかどうか、わからないと言われるわけですね。

槌田 この夏が起点になって寒冷化が始まるなどということは、わかるわけがありません。

●数十年、数百年での気温変化

槌田 しかし、気温は、数十年単位で温暖化したり、寒冷化したりしています。 【図1】を見てください。屋久杉の研究で、1900年間の気候を復元した図です。これで、数十年単位で気候が変動していることがわかります。
この数十年は温暖化してきたのですから、そのうちに寒冷化がまた始まります。

【図1】屋久杉に刻まれた歴史時代の気候変動・(北側浩之)
屋久杉に刻まれた歴史時代の気候変動

 槌田先生は、昔から寒冷化を心配されていましたね。

槌田 600年代の飛鳥期から900年代の平安期まで、 そして1700年代の江戸期から現在までは、細かく変動しながら、どちらも300年間で4℃ぐらい温暖化しました。 温暖化なら食糧が採れるので、どちらもいい時代なのです。 寒冷化すると食糧が不足します。すると、世界は大混乱しますから、 寒冷化の方がずっと大変で、それに備えようと警告しているのです。

●8000年で見ると寒冷化

 では、変動しながらも、300年ぐらい温暖化してきたのが現在ということですね。

槌田 それだけではありません。もう少し長期的なスパンで見ると寒冷化しています。 【図2】を見てください。8000年前から現在までの気温曲線で、縄文時代前期は今より暖かかったのです。 それが3300年前の寒冷化で縄文文化は大きな打撃を受け、2600年前に温暖化したころ、弥生時代が始まりました。 最近の3000年間では3回の寒冷期があり、その度に、激しい戦争と、民族の大移動がありました。 気温は変動を繰り返していますが、8000年にわたる流れを図で見ると、寒冷化に向かっていることは明らかです。 私は、この長期的な寒冷化傾向も重視すべきだと主張しています。

【図2】尾瀬ヶ原ハイマツ花粉分析による古気温曲線
     8%基準線は±3℃に相当する

尾瀬ヶ原ハイマツ花粉分析による古気温曲線
(坂口豊論文、専修人文論集51巻1993)

 さまざまな波があるわけですね。

槌田 そうですが、温暖化の後は寒冷化に決まっているのです。 数十年という短期の変動に注目するのであれば、次は寒冷化ですが、「ミニ氷河期」と言われるほどになるのかどうかはわかりません。

●資源浪費を防ぐのが優先

 CO2は温暖化ガスではないのですか。

槌田 温暖化ガスの代表格は水蒸気です。 寒い冬でも、夜中に雲があるとあまり冷えないでしょう。 このようなことを少し考えれば、水蒸気が最大の温暖化ガスであることは明らかです。 それに比べれば、CO2は本当に温暖化に関与しているのかわからない程度の存在です。 それを最大の温暖化ガスとしているところからして、CO2温暖化説はおかしいのです。

 槌田理論を基に、私たちが「CO2を出してもかまわない」と言うと、「浪費を進めるのか」と、誤解されることもありますね。

槌田 われわれは「石油や石炭を減らして、資源の浪費を防ごうと」と言っているのです。 ところが「石油や石炭を使った後に出てくるCO2を減らそう」とすりかえられ、多くの人はわけがわからなくなったのです。それで、 どうでもいいCO2を「減らそう」と言っているのです。

 どうして「CO2を減らそう」となってしまったのですか。

槌田 1986年のチェルノブイリ原発事故で、原発の建設が世界中でストップしました。 そこで、原子力業界は各国政府に働きかけ、CO2温暖化説を唱える研究者に莫大な研究費を出させたのです。 つまり原発業界が仕掛けたワナなのです。

 多くの人は「ワナ説」を認めないと思いますが、1999年に私たちが開いた公開討論会で、原子力 委員会専門委員の中村政雄氏が「原子力の人は乗っかっただけ」と、働きかけたことを認めたことがありましたね。

槌田 大気中のCO2濃度を正確に測定するには、工場や火力発電所の排ガスが直接影響を与えないように、 南極やハワイの山の上で測定しなければなりません。そうしたことも含めて、研究には莫大なお金がかかるのです。

●「CO2地球温暖化説」は間違い

 CO2の増加による地球温暖化説は間違っていると、槌田先生は学会で論争されていますね。それは、どういう内容ですか。

槌田 気象学者のキーリングが、CO2濃度を長期にわたって計測したのです。 するとCO2増加と気温上昇が一致したので、CO2の増加が地球を温暖化させていると警告しました。 これがCO2温暖化説の原点です。その後、キーリングは、より詳しく気温とCO2濃度の前後関係を比べました。 その結果は、気温の変化がCO2濃度の変化よりも1年ずつ早く生じていることを見つけて、発表しました。 気温が原因でCO2濃度は結果なのです。これは、根本順吉氏の『超異常気象』(中公新書)に引用されています。

 それからどうなったのですか。

槌田 このキーリングの研究は、CO2濃度について長期的傾向を除いて整理するという欠点がありました。 これでは短期的には気温が原因でCO2が増えることになっても、長期的には気温が原因といえるかどうか、わからないことになります。 そこで、共同研究者の近藤邦明さんと私は、長期的傾向を除くことなく、 気温そのものとCO2濃度の変化率の関係を示すデータ【図3】を得ることに成功しました。

【図3】世界平均気温偏差(℃)と大気中CO2濃度の変化率・(ppm/年)
世界平均気温偏差(℃)と大気中CO2濃度の変化率
この図では、1969年から2003年まで34年間にわたって気温とCO2の変化率が見事に対応しています。 変化率とは年間増加量と同じですから、気温によりCO2濃度の年間増加量が決まることになります。 つまり、気温の上昇が原因で、CO2濃度が増えることが実測データで証明されたのです。 これに対して、人為的なCO2が原因で温暖化したという通説では、この【図3】を合理的に説明できません。

●始まったCO2温暖化裁判

 今回は、決定的にCO2による地球温暖化説を否定できたわけですね。

槌田 そうです。そこで、気象学会の会員でもある私は、近藤さんと共著論文を書き、気象学会誌に投稿しました。 すると、気象学会は【図3】を事実と認めながら、この論文の掲載を拒否し、私の口頭発表も拒否したのです。 人為的CO2による地球温暖化を唱える気象学会にとって、【図3】の事実は都合が悪いので、ないことにしようとしているのです。 これが科学者のすることでしょうか。

 政治と同じですね。

槌田 それで、気象学会を相手に東京地裁に提訴しました(5月27日)。 ガリレイ裁判は、天動説に対する地動説の「宗教裁判」でした。 私の場合は、CO2で温暖化するのか、それとも、温暖化したからCO2が増えたのか、という「科学裁判」になります。 人為的CO2温暖化説を利用して、放射能を大量に残す原子力発電が世界に拡大しているので、 これに少しでも歯止めをかけるためにも、裁判に勝ちたいと思います。 そして、「CO2による温暖化」というバカ騒ぎを止め、【図1】や【図2】から予想される寒冷化に備えて、できるだけ早く準備を始めねばなりません。

月刊誌「食品と暮らしの安全」2009年9月1日発行 No.245

>>ミニ氷河期前兆?(月刊誌「食品と暮らしの安全」2009年9月号No245)


関連書籍

槌田敦著。誰も言わない環境論シリーズ!
『CO2温暖化説は間違っている (誰も言わない環境論) 』(アマゾン)

『「地球生態学」で暮らそう (誰も言わない環境論) 』(アマゾン)


トップへ 他のレポート 先頭へ 月刊誌検索へ関連月刊誌を検索

『食品と暮らしの安全』を購読しませんか?
最新の安全・危険情報はもちろん、食の安全に関する役立つ情報が満載。

月刊誌ご案内


 サイトマップ  |  よくいただくご質問  |  プライバシーポリシー  |  お問い合わせ 

©2012 NPO法人食品と暮らしの安全基金