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特集◆アスペルガー症候群奇跡の回復Ⅳ

>>アスペルガー症候群奇跡の回復Ⅴ(2009年5月号No241)

月刊誌『食品と暮らしの安全』2009年4月240号掲載



こうちゃんは3学期になって新たな危機に見舞われました。
しかし、見違えるほどたくましくなっていたこうちゃんは、
2度の危機を乗り越え、症状はさらに改善しています。


●希望にあふれた3学期の始まり
 「通学班で、みんなと一緒に行けるようにがんばります」と、新年に目標を掲げたこうちゃんは、 3学期から、天気のよい日は友だちと登下校しています。
 今年の最初の絵(表現@)には太陽があり、意欲に満ちあふれた始まりを感じさせます。 これだけ大きな太陽を描いたのは初めて。しかも、今まで描いたことのなかった地面があり、その上に家が建っています。 地平線を表現することで、まさに、地に足がついてきたことが感じられます。
 電柱が左右対称に立つバランスのとれた構図は、気持ちの安定感を表しています。
 鳥のモチーフは、飛び立つ、巣立ちといった気持ちのときに描くことが多いのですが、「チュンチュン」と鳴くスズメは、 こうちゃんの飛躍を表しているようです。
 自分で目標を掲げ、希望にあふれて3学期の生活を始めたこうちゃん。
 「わあ、め(芽)がでた!」(表現A)を、続いて描きました。
 新芽のモチーフも、ステップアップや、新しい自分を意識したときに出てきやすく、始まり、やる気、希望を象徴します。
 さらに「ポン!」と音をたてて太い芽が出てくるので、順調であることを感じさせます。

表現1表現2


●揺らぐ自信
 こうして意欲にあふれてスタートしたのに、給食が3学期から通常の量になっていました。 先生は励ましますが、こうちゃんはすべてを食べきれません。 そのため、家に帰っても給食を思い出して、気分が悪くなるようになりました。
 そのころから「太陽」「新芽」のモチーフが消え、一学期によく描いていた尖った画びょうや怪獣の絵に戻ります。 その絵を見て、驚いたお母さんが連絡帳に書くと、先生から電話がきて、それから給食の量が少なくなりました。 すると、こうちゃんは元気を取り戻し、しばらく描かなかった食べ物の絵も復活したのです。


●クラスのみんなから拍手!
 この後、先生や友だちを驚かせるうれしい「事件」が図工の時間に起こりました。

 工作の得意なこうちゃんは、クラスの中で一番早く工作を完成させ、それから教室中を回って、
みんなが工作で出したゴミを片付けたのです。
 「こうちゃんが、みんなのゴミを集めてくれました。ありがとう」と、
クラス全員の前で先生がほめて、みんなからも拍手を受けたこうちゃん。
 3学期の終わりに、こうちゃんは「クラスのみんなにお世話になってるんだ」とつぶやきました。
そんな気持ちで、みんなのためにゴミを片付けたのだろうと思うと、お母さんは胸が熱くなりました。

●ストレスにも負けない強さ
 こうちゃんは給食の試練を切り抜けましたが、
学習発表会へ向けての練習が始まると、表現に以前のモチーフが戻ってきます。
 足が「ズン」と立ちはだかる絵や、自分の体を上からかき消す表現。
しかし、以前の同じような絵と比べると、線の荒さや、絵全体から出てくる痛みのイメージはそれほど感じられず、かき消す線は、ちゃんと下の絵がみえる程度に薄く、 また消された人物の表情も笑っていました。
 この頃もパニックを起こすことはなく、元気に登校していたこうちゃん。
「同じようなストレスを感じる状況にあっても、何とか対処できるように、この子は変わってきているみたい」とお母さん。 久しぶりに38度の熱とじんましんが出ましたが、一晩で回復。心も体もストレスに負けない強さが身についたようです。
 こうして迎えた学習発表会では、すべての課題をこなし、みんなの前で堂々と発表する姿に、お母さんは涙をこぼします。



●よく笑うようになった
表現3  次の休日は、安定剤の薬を飲まずに、2日続けて過ごしてみました。
2日目の朝に描いた1枚の絵は、お母さんを驚かせます。

 鉛筆による黒のみの表現だった絵が、色鉛筆を使って丁寧に塗りこみ、たくさんの友だち、家、虹を描いていたからです(表現3)。
 これまでも、手の届くところに色鉛筆があったのに、鉛筆やボールペンで描いてきました。
それが、この日は色鉛筆を選び「カラフル」と一文字ずつ色分けした文字を書き、人物の洋服も丁寧に多色で塗り分けました。
 次のステップへ進む心の再生・回復期に描かれることが多い虹も、色彩豊かに描かれています。
この時期のこうちゃんは、学習発表会で、お母さんが泣いて喜んでくれるほど良くできた達成感に満たされていたのでしょう。
色の使い方は、感情面に影響を受けることが多いので、実感としてわいてくるうれしさ、充実感、自信は、黒だけでは表現しきれなかったのかもしれません。
 背も伸びて、よく笑うようになったこうちゃんは、体を大きく描くようになり、表情を明るく描く絵が増えています。
「最近、けんかしても泣かなくなったし、強くなったんだよ。なんか男の子っぽくなったみたいでうれしいよ」
お姉ちゃんも、うれしい驚きをこう話してくれました。

 こうちゃんの著しい成長は、家庭や学校でまわりを明るくさせています。


国光美佳(色彩心理インストラクター)
(月刊誌『食品と暮らしの安全』2009年4月No240号より)

>>アスペルガー症候群奇跡の回復Ⅴ(2009年5月号No241)
>>ミネラル不足食品ばかりでは病気に罹る(症例別目次)
>>こうちゃんの症例が掲載されている 書籍『食べなきゃ、危険!』




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