PCBを含んだ蛍光灯安定器
この写真は、日本子孫基金で撮影したものです。
実は、私たちの事務所で使っている蛍光灯の安定器は1970年製です。
これにはPCBが含まれています。私たちが調べるまで、ビルの持ち主はPCB機器があることを知りませんでした。そのため、このまま知られなければ、PCBとは分からずに廃棄されたかもしれません。
実は身近にPCBの入った機器が使われていることに私たちは驚きました。そして、このような例はたくさんあるのではと考えました。そこで、PCB問題に取り組むようになったのです。
日本子孫基金事務所にて撮影 |
なぜ安定器を問題にするのか
なぜ、蛍光灯安定器に着目しているのかというと、不明になっている数が多いからです。
学校で安定器の破裂事件がおこっており、耐用年数が近づいていると考えられます。今後次々に交換され、適切に保管しなければならなくなります。
そのためPCB入り機器なのかそうでないのか、明らかにしなければなりません。そして、回収が必要です。回収には、蛍光灯安定器周辺で生活する市民の関心が必要です。
私たちの取り組み
私たちのこれまでの取り組みを紹介します。
まず、政府に申し入れを行いました。その内容は、行政による回収・処理を行うようにというものです。
国際的な活動は、POPs条約交渉会議に参加し、PCB対策の必要性を各国の政府代表やNGOにアピールしました。
日本国内での関心を集めるために、蛍光灯からPCBが揮発するのかどうか調査しました。データは、まだ受け取っていません。しかし、使用中の安定器からPCBが揮発していると報告を受けています。詳しい結果は、明日のシンポジウムで、東京農工大学の細見先生が発表します。
アジア地域内で情報交換を行うために今日のワーキングループを企画しました。
今後の取り組み
次に、今後の取り組みを紹介します。
一般市民を対象に、蛍光灯の安定器にPCBが入っているかどうかのアンケート調査を行います。
今年3月にオランダのロッテルダムで開かれるCODEX委員会の食品添加物・汚染物質部会(CCFAC)に参加します。CCFACは、食品のダイオキシンやPCB汚染の基準について話し合う部会です。
今日、午後から、PCBの汚染源を断つことを訴えるポスターを作成します。そのポスターを各国政府の代表、NGOに配り、PCB問題をアピールします。
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