食品と暮らしの安全 プレスリリース
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    Date : 2004/05/10 (Mon)
●有機農場ツアーに行ってきました。
 これは、コーデックスの公式のプログラムではなく、参加団体のひとつで
 あるIFOAM(国際有機農業運動連盟)が企画したものです。

●参加者は30名。昨日(5/8)の有機食品ガイドラインの作業部会に参加した
 政府代表団、NGO、企業などから約30名。IFOAMがすべて費用を負担してく
 れ、2つの農場と、自然食・オーガニック食品店をまわりました。

 このツアーの目的は、あまり有機農業について知らないまま参加している
 政府代表団に会議場の外に出て、実際の有機農場をみてもらうことで書類
 上だけでなく、さまざまな現状を学んでもらうことだそうです。残念なが
 ら、日本政府からの参加はありませんでした。

●農場その1 モーフ農場

 まず始めに訪れたのは、大豆・穀物などを作っているモーフ氏の有機農場
 です。農薬に関する講習を受けた際に、その怖さを改めて知り、1989年に
 有機農場として転換をはじめ、1994年には有機認定をとりました。
 
 栽培している作物は、コーン、大豆、穀類、牧草。40haの農場は、延々と
 続き、日本の農場とは比べ物にならない規模です。大豆は卸業者に販売し
 ていますが、ほとんどが日本に輸出されます。そのため、これまで認定を
 とっていたアメリカの認定団体、FVOの認定のほかに、有機JAS認定をとる
 必要があり、これはOCIAが行っています。

 かつては、肉牛も育てていましたが、「オーガニックビーフ」が全く売れず
 、牛は売却。現在は畑用の牛糞を確保するためと、自家用の牛乳のためだけ
 に牛を飼っています。自家用に野菜、鶏も育てています。

 近隣の農家は、すべて非有機農家で、遺伝子操作作物も育てているとのこと。
 とうもろこしの花粉はかなり長距離飛んでしまうので、有機農産物の基準を
 守って必要な措置を講じても、汚染はありえるとのこと。検査して、遺伝子
 操作作物の汚染があったことがわかったら、どうしたらよいかわからないの
 であえて、検査はしないとこのと。なんともいえない気分になりました。こ
 こカナダをはじめ、遺伝子操作作物が広く栽培されている北米では、有機栽
 培はどのようにしていくべきなのか、考えさせられました。

 モーフ氏の奥さんが作ってくれたオーガニック・ランチをごちそうになりま
 した。ジャージー牛のミルクから作った自家製の発酵バターは、ヨーグルト
 やクリームチーズに似た風味があり、これをホームメードのオーガニック・
 パンにつけて食べると、本当に幸せな気分になりました。そのほか、マッシ
 ュポテト、オーガニック・ビーフとマッシュルームのシチュー、サラダ、フ
 ルーツとカスタードクリームのケーキなど、どれも優しい味わい深い料理を
 頂きました。

●農場2 ゴセリン農場

 次に訪れたのは、ゴセリン氏の農場。ゴセリン氏は25頭の牛(ほとんどがブ
 ラウン・スイス種)を飼い、そのミルクでオーガニックチーズを作っていま
 す。19951年に有機認定を受けた17haの農場で、大豆、牧草、大麦、コーンを
 栽培。牛の飼料はすべて自家飼料です。作物は食用として販売もしています。

 チーズの有機認定をとったのは2003年。これまでも、ずっと有機原料だけで
 チーズを作ってきたのですが、高品質な有機チーズを作る技術を確立するの
 に、時間がかかったそうです。チーズとしての通常の規格を遵守することと、
 有機チーズを作ること、さらに品質がよくおいしいチーズをつくること、そ
 の3つのどれがかけても、オーガニック・チーズを販売することはできませ
 んが、時に、矛盾することもあり、苦労するそうです。

 幸せな牛のミルクを使うことは重要、とのこと。牛たちはとてもひとなつこ
 く、おだやかに干草を食べていました。また、えさにサイレージ飼料を使う
 と、おいしいチーズができないので、すべて自家製のドライ飼料を使うそう
 です。牛舎は干草のよい香りがし、牛舎独特の臭さは全く感じられませんで
 した。

 チーズに殺菌はしません。カナダでは、殺菌をしないチーズは、60日間以上
 熟成させれば、販売が許可されているそうです。
 

 現在作っているチーズは、ハードチーズ、ミディアム・ハード・チーズ、ウォ
 ッシュ・チーズの3種類。15%は、農場内にある店舗で直接販売し、残りは卸
 業者を通じてケベック州内を中心に販売されているそうです。味見をさせてい
 ただくと、クセはそれほどなく、ミルクの甘さが感じられるおいしいチーズで
 した。

●農場ツアーではここカナダ、ケベック州の有機農場を見、話が聞ける、とても
 貴重な体験でした。このツアーを企画してくれたIFOAMに感謝いたします。

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┃明┃日┃の┃予┃定┃

●表示部会の第1日目です。
 議題の進み具合によりますが、有機食品、遺伝子操作食品の表示が
 話し合われることが予測されます。

●部会終了後、レセプション・パーティが予定されています。

                           (熊澤 夏子)

http://tabemono.info/kokusai/codex2004_05/0509.html


  コーデックス情報:No.2
    Date : 2004/05/09 (Sun)
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┃目┃次┃

●本日の会議(要点を短ーくまとめました)

●会議の内容 ・おがくず・木炭の化学処理禁止について【これは重要!】
       ・亜硝酸ナトリウム・硝酸カリウムについて

●日本政府の様子(わが政府はどう?うまくやってる?
         政府のウォッチングも私の大切な仕事です。)

●議題の背景 (ちょっと小難しいので背景をよく知りたい方のみどうぞ。)

●明日の予定

●ひとこと  (私の個人的な感想です。)

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┃本┃日┃の┃会┃議┃2004年5月8日


●有機食品に関するガイドライン・作業部会が開かれました。

作業部会とは?
人数の多い会議ではなかなか議論が進展しないので、そのトピックに興味
のある人たちだけを少人数集めて、話し合いを行い、その結果を本会議に
かけます。有機食品は長年、作業部会を設置し、話し合いを進めています。


●今回の作業部会のハイライト

肥料・土壌改良に使用する「おがくず、バーク、木屑」「木灰」「木炭」に
使用される木材は「伐採後、化学的処理を行われていてはならない」など重
要な決定がされました。

●今後の進め方

今回の合意事項、まだ合意に達することなく来年も話し合いが続けられるも
のなど、本日の作業部会での決定は、報告書が作成され、5/10の表示部会に
はかられます。表示部会では、作業部会に参加しなかった国・組織もコメン
トを行えるため、作業部会での決定が覆されることもあります。作業部会で
の結論が受け入れられるかどうかが、これからの注目事項になります。


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┃会┃議┃の┃内┃容┃

●議長 カルラ・バリー議長(Ms.Carla Barry、カナダ)

●IACFO(食品国際消費者機構)からは、
食品と暮らしの安全基金・チェンジ・コーデックス市民の会の熊澤が参加。

●時間:10:00-17:40

会議の内容のなかから、特に重要と思われる議論をまとめます。

【これは重要!!!】

●肥料・土壌改良に使用する「おがくず、バーク、木屑」「木灰」「木炭」
に使用される木材は「伐採後、化学的処理を行われていてはならない」!!

木材、特に輸入木材は伐採後、防腐のために化学物質が使用されていること
が多い。この際に使用される化学物質は、クレオソート、CCA(銅・クロム・
砒素)など、人体に悪影響があり、有機食品の生産には使用できないばかり
か、一般にも販売が禁止されはじめているものも含まれている。

IACFOは、化学処理がされた木材を使用しないよう、2002年にもコメントを送
付しており、今回もこれに関して発言をおこなった。スイス、IFOAMなど多く
の国も同様の意見だったため、合意に達した。

有機農業の肥料・土壌改良に使用する木材製品は、伐採後どのような化学物質
でも処理されていてはならないという今回の結論は、今後、木材に関する議論
(畜舎や保管場所に使用される木材なども含め)に発展するものと思われ、非
常に大きな成果といえるだろう。

●「亜硝酸ナトリウム」「硝酸カリウム」は
  オーガニック肉製品に使ってもよいか?

亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムは、発ガン性物質のニトロソアミンの生成に
つながることから、できるだけ摂取しないことが好ましい添加物である。日本
においても、数は少ないものの、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムを添加して
いない無添加のハムソーセージなどは存在する。日本にはまだオーガニック肉
製品は出回っていないが、オーガニック肉製品が販売されるとしたら、当然、
消費者は亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムが入っていないことを期待すると思
われる。

日本でよく出回っているハムやソーセージの大部分は加熱をして作られている
もので、これらは亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなしでも製造が可能なこと
は、コーデックス内では周知されている。しかし、問題は、スペインやイタリ
アなどで有名な生ハムのように、火を通さずに生で塩漬けをして作る肉製品、
生ソーセージなど生貯蔵をする肉製品を、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムな
しで作ることができるかどうかということだ。

デンマークなど有機畜産の歴史が割合長く、また加工技術の進んでいる国は、
技術によって亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなしでも製造は可能であると考
えており、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムはオーガニック肉製品に許可すべ
きでないと強く主張している。

私たちIACFOも、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムは、オーガニック製品に使用
されてはならない添加物であると考えているため、デンマークを強く支持する
発言を行った。IFOAM(国際有機農業運動連盟)も同様の考えである。

しかし、フランス、スイス、スペインなど、火を通さずに生で作る肉製品に限
っては、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムの使用を許可すべきとの声があり、
大きな議論となり、合意に達しなかった。

来年も引き続き、話し合いが行われることとなった。

また、議長を含め、会場の多くから、なぜ消費者は亜硝酸ナトリウム、硝酸カリ
ウムはオーガニック製品に使われるべきでないと考えているのか、亜硝酸ナトリ
ウム、硝酸カリウムを使用することは消費者を欺くことに本当につながるのかな
どについて情報が必要であるとの声があがった。

今後、CI(国際消費者機構)と協力し、消費者の声を集めて、来年の会議に持っ
ていくことが必要だ。

●そのほかIACFOが発言を行ったのは以下の点について

・消費者が有機食品を信頼し、自信を持って選択するためには、許可資材はでき
 るだけ制限し、許可資材リストは出来る限り短くするというアプローチが必要
 だと述べた。

 (議論のゆくえ:リストはまだ議論中のため、短いリストにするのはまだこれ
  から)

・リン酸を有機畜産物の乳化剤・安定剤とし使用することは許容できないと述べ
 た。
 
 (議論のゆくえ:合意に達せず、来年も引き続き話し合われる)

・チリ硝石を土壌改良剤として使用することはできな
 いと述べた。

 (議論のゆくえ:合意に達せず、来年も引き続き話し合われる)

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┃日┃本┃政┃府┃の┃様┃子┃

 坂  治己 氏
(農林水産省 消費安全局 消費安全政策課 国際食品班課長補佐)

 中野 正久 氏
(農林水産省 消費安全局 表示規格課 有機食品制度班担当課長補佐)

の2名が参加。

事前の書面コメントでは、
・キサンタンガム(乳製品・菓子類)
・カラヤガム(乳製品・菓子類)
・リン酸カリウム
 (とけるチーズ、プロセスチーズの乳化剤、殺菌済みクリームの安定剤)
・二リン酸塩
 (とけるチーズ、プロセスチーズの乳化剤、殺菌済みの安定剤)
を許可資材として提案していたが、

作業部会中は、一度も発言を行わなかった。

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┃議┃題┃の┃背┃景┃ここは、きちんと背景を知りたい方だけどうぞ。


●これまでの流れ

コーデックスの有機ガイドラインは、1999年に植物由来の食品のガイドライ
ン、2001年に畜産物のガイドラインが採択された。また、2001年から、付属
書2(許可資材リスト)と、5章(付属書2に資材を追加するための要件お
よび各国で資材リストを発展させる際の基準)の見直しが行われ、2003年
に5章は見直しが完了し、採択された。

付属書2は、表1:肥料および土壌改良剤として使用する資材
      表2:植物の病害虫防除の資材
      表3:添加物
      表4:加工助剤
から成り、現在は、ステップ5。

有機食品の生産のために使用してよい資材のリストは、各国の有機食品の生
産・製造に大きな影響を与えるため、慎重な検討がされている。

第5章の基準に優位性があることが確認されており、リストにあがっている
資材であっても、各国の環境・技術などに応じて、使用すべきでないという
判断がされたり、逆にリストにあがっていない資材であっても、第5章の基
準を満たしていることが確認できる資材であれば、国レベルで許可すること
は可能である。そのため、リストを作成する必要性に関して議論となってい
る。

●そこで、今回の話し合いは
・許可資材リストのあり方について
リストの存在に関して、なくてもよい、使用の可能性のあるものはあげてお
くべき、リストはできるだけ短くあるべきかなどの議論がある。

・許可資材にあがっている資材に関する検討

が行われた。

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┃明┃日┃の┃予┃定┃

●明日は会議はありません。
 IFOAMが有機農場ツアーを組んでくれているので、これに参加します。
 楽しみ!!これも、報告できれば、、、と思っています。

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┃ひ┃と┃こ┃と┃ふたこと?みこと?

●私は1999年から表示部会に参加してきて、今回でなんと6回目となりまし
 た。最初は右も左も分からず、あたふたしていましたが、6回目ともなれ
 ば、かなり慣れるもので、発言するのもほとんど緊張しなくなりました。
 年もとったし、心臓も強くなったのかしら??

●日本政府はほぼ3年で担当者が変わりますが、アメリカ・カナダを含め多
 くの国は長ーく関わっている人が多く、顔見知りになっています。年に1
 度、会議で会えるのは、楽しみの一つでもあります。会議の言語は英・仏
 ・西語。英語を話す人が一番多いですが、みんなそれぞれ、お国のアクセ
 ントがあって、それもまた趣があります。日本語なまりでも、ぜんぜん、
 恥ずかしがることなんてない!と強く感じます。日本政府の参加者にも、
 ぜっかく参加しているのだから、1回くらい発言してほしかったな、、。
 そう、思いません?

●議長のカルラ・バリーさんは、今回初の議長さん。昨年まで長年、この作
 業部会の議長を務めていたルビソロ女史(オーストラリア)は、ご自身も
 有機畜産農家で、有機食品を愛していることが伝わってくる方で、個人的
 にも大好きな人でした。いろいろと助言をいただいたりして、学ばせても
 らったので、彼女の定年退職は本当に残念です。バリーさんの今後の議長
 ぶりに期待したいと思います。

http://www.tabemono.info/kokusai/codex2004_05/


  まもなくコーデックス表示部会
    Date : 2004/05/04 (Tue)
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コーデックス(国際食品規格)プレスリリース:No.1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●国連のFAO(食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)のプログラムであるコ
ーデックス(国際食品規格)委員会の表示部会が、カナダ・モントリオール
で5月10−14日に行われます。

●有機ガイドラインに関しては、5月8日に作業部会が開かれ、この話し合
い結果を本会議である表示部会に持っていくという形をとります。

●食品と暮らしの安全基金・チェンジ・コーデックス市民の会は、IACFO(食
品国際消費者機構)として参加いたします。


●コーデックスに関して、詳しくお知りになりたい方はこちら。

  ┌────────────────────────────┐
  │コーデックス http://www.tabemono.info/kokusai/index.html
  └────────────────────────────┘

■注目の議題■
今回の表示部会の注目は、議題6の遺伝子組換え食品に関する表示の問題で
す。すでに、10年以上も話し合われているにもかかわらず、表示に積極的な
EUと、消極的なアメリカの対立は激しく、これまであまり進展のなかった議
題です。今回こそ、意味のある議論ができるかどうか、注目されます。

■第32回表示部会 議題■
開会
議題1 議案の承認
議題2 他のコーデックス部会、委員会からの事項
議題3 表示規定の検討
議題4 栄養・健康強調表示の使用に関するガイドライン案 Step 6
議題5 有機ガイドライン
議題6 遺伝子組換え食品の表示
議題7 包装食品の表示に関する一般規格の修正案(原材料数量表示)Step3
議題8 原産国表示についての検討
議題9 食品表示およびトレーサビリティの検討
議題10 誤認を招く表示についてのディスカッションペーパー
議題11 その他、次回の会議
議題12 議事録の採択

■日程■
5月8日 有機食品ガイドライン
5月9日 会議休み(有機農場を訪れる予定)
5月10日 表示部会第1日目
5月11日 表示部会第2日目
5月12日 表示部会第3日目
5月13日 会議休み(事務局が議事録の準備するため)
5月14日 表示部会第4日目(議事録の採択)

次回のコーデックスプレスリリースは、5月8日以降、
現地モントリオールからお届けする予定です。


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